第670話 全ての竜を侍らせる神(ドラゴン・オブ・マスター)
その異能は様々な竜を造りだし、その竜と状況、感覚等の共有が出来る。
ドラゴはイギリス中に竜の銅像を設置しており、その竜達に監視させている。その事を知っているイギリスの国民達はドラゴが造り出した小型の模型を置いている家庭は大半を占める。そんなドラゴは殺されても、別の竜へと移り変わる事ができ、彼を完全に殺すには、イギリス中に置かれた竜の銅像、イギリス国民が所有している竜の模型、魔導艦隊ーキングにある竜の全て破壊した後に殺さなければ、命を絶つことは出来ない。
イギリス国民が家庭にまで竜の模型を置くのは、ドラゴが竜を通じて何度もイギリス国内に侵入したものを捕らえる事に成功しており、家庭に置かれた竜を通じて、家に居た子供が拐われた時には、ドラゴが未然に竜の模型を介して、解決した事もあって、竜の模型はイギリス国民の必需品ともなっている。最近では、家に置いておくだけでなく持ち歩くものも居ると言う。
「お前は何も知らない様だな」
「……ナンノコトダ?」
ドラゴは拳闘魔神の背後に居る白い竜を指さす。
しかし、ドラゴのその行動を理解出来ない拳闘魔神は首を傾げていた。
すると、白い竜は拳闘魔神の体に巻き付いていく。
「感じるだろう?その白い竜にはマーリンの儀式が施されていてな。お前が巻き付いている白い竜は魔法の鎖が付加されている」
拳闘魔神は慌てて、白い竜を体から引き離そうと行動するもその時は既に遅かった。
「……ミトメヨウ。ナンジガワレヲイラダタセ、ホンキニスルモノダト」
「……何をほざいても、負け惜しみだ!」
「スベテノ、マホウ、ノウリョク、イノウヲフウジルトサレルグレイプニルヲコンナカタチデシバラレルトハオモワナカッタ。デモ、ワレガケンマダッタラ、モウナニモデキナカッタ。ワレハケントウマジンナリ」
拳闘魔神は白い竜を両手で引き裂こうと動かし出す。
「……甘いな。全ての竜を統べる神は俺の体中から無数の竜を出現させる事が出来るんだよ」
「ナンジガダセルジョウゲンハコノイギリスナイニスベテデテイルハズダ」
「だったら、ここにそれを呼べば良いって言いたいけど、それは止めてやるよ」
ドラゴの全身からは黒いオーラが放出し出す。
「どれだけやっても、お前は俺を殺せない。イギリス中に様々な箇所に存在している竜の全てを対処しないとな。今まではなぁ。これからはその数は更に増えるぞ。この全ての竜を侍らせる神となった今はなぁ」
ドラゴは拳闘魔神の足元の地面を竜へと変化させ、拳闘魔神に巻き付かせる。




