第662話 女王陛下の決断
アーサーのその発言は開かれた扉と共に否定される。
「アーサーそれはなりません」
「女王陛下」
エリザベス女王が護衛もつけずにその部屋に入って来た事によって、ガラハッドは椅子から立ち上がる。
「女王陛下。出歩く際はチーム[シールド]に連絡を頂かないと、女王陛下なら私が護衛につきましたものを」
「ガラハッド。構いません私の身の安全は既に保証されているのですから」
「……予知能力で見られていましたか」
エリザベス女王は魔水晶に写ったミスターXを見つけると、笑みを溢す。
「ミスターX。戻って来なさい。近くに居るのでしょう?」
「……承知致しました。直ぐに」
ミスターXは魔水晶から姿を消す。
「会議はここまでとします。アーサー、アレクサンダー、ガラハッド以外はもう結構です」
エリザベス女王のその言葉によって、魔水晶に写っていた者達は姿を消す。
「アメリカ、日本の皆様のお迎えをお願い出来るかしら、アーサー」
「かしこまりました」
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イギリスのとある広場、岩に偽王聖剣が置かれたその場所にスカーレット、エマ、廉、彩美、湊斗、恋歌の六人は揃っていた。
そんな場所にアーサーは突然、現れる。
「……皆さん。会議の場は整っています。移動をお願いします」
アーサーのその言葉通りに移動をした六人は、エリザベス女王の左右に立つアレクサンダー、ガラハッドの前で止まる。
「何かあったのですか?」
スカーレットはエリザベス女王直々に出迎えをした事に、その疑問をぶつける。
「……私の予知でチーム[ヴァルハラ]と幻魔は同時に出現します」
「本当ですか?」
「ええ、そこでフェンリルを守る部隊と、幻魔討伐の二チームに別けたいと思います。反論は認めません。フェンリルを守る部隊を率いて貰うのはチーム[円卓の騎士団]の傘下チーム[ソード]のリーダーであるアレクサンダー・ペンドラゴンにお願いします。他の参加メンバーはチーム[ソード]とエマ・レイン、佐倉湊斗、上川恋歌にお願いします。幻魔討伐を率いて貰うのはスカーレット・クイーンにお願いします。他の参加メンバーはこちらで捕らえているドレア・ドレスに木山廉、加藤彩美そして、もう直ぐに到着するチーム[ダイヤ]のリーダーミスターXにも参加してもらいます」
エリザベス女王の発したその言葉にスカーレットは戸惑う。
「ドレア・ドレスを解放して貰えるのですか?」
「……交換条件でね」
「……どの様な?」
「チーム[カオス]の全員の命はイギリスが所有しておりますので」




