第658話 ランスロット・カロス
ランスロット・カロスはチーム[円卓の騎士団]の特攻隊長であり、その傘下のチーム[ランス]のリーダーである。
一点突破の能力者でもあり、チーム[円卓の騎士団]の中でも、攻撃力においては彼の右に出るものは居ないと言わしめる程の攻撃力を誇る。一点突破はランスロットが攻撃した一方方向のみだが、その方向の防御等を全て破壊して上でダメージを与える能力である。その能力によって攻撃された箇所は確実に攻撃がヒットすると言うものであり、因果率、運命論まではね除け、必ずヒットする能力から回避方法は回避のみとなっている事からランスロットの前に立つ敵は皆、打ち合わせをした様に彼の正面から逃げていく。
そんな彼はイギリスが独自に開発した聖神の槍を所持しており、聖神の槍は聖槍の中でも最も射程距離のあるとされている。
一度貫けば、5000メートル先まで攻撃届くとされており、彼の能力の一点突破と併用すれば、その攻撃力はねあがる。
「……少し、声が聞こえたが……アーサー他国の者にイギリスの問題を任せると言う話は本当かい?」
「それが今回の会議の問題だよ」
「答えはもう出ているよ」
「……君は」
「反対さ。アーサーはいつから誇りを捨てた」
「捨てた覚えはないよ」
睨み合う二人を仲裁する事もなく、その様子を伺っているモルドレッドは椅子に設置された魔水晶に長い黒髪の女性が写し出されたのを見ると、不適な笑みを浮かべる。何故なら、その女性が出てくれば、この二人は言い合いを続ける事は出来ないのだから。
「お二人さん。ケンカも良いが、マーリンが来ているぞ」
モルドレッドのその言葉を受け、アーサーとランスロットはマーリンの写る魔水晶を目にする。
「いらっしゃって居たんですね」
「ええ、久しぶりねアーサー」
「はい」
アーサーを始め、ランスロットもモルドレッドも緊張していた。
それはマーリン・モーガンと言う女性だからこそだ。
チーム[円卓の騎士団]の参謀にして傘下のチーム[ハート]のリーダーでもあるマーリンは儀式の天才と言われ、様々な儀式を行う女性である。
そんなマーリンには様々な噂が存在しており、年齢を知る者はおらず、彼女を知る者は数十年間全く年を取っていないと陰で話す程変化しておらず、マーリン自身も一世紀までの出来事を体験談として話す等、ツッコミ所の多い女性である。しかし、誰もそこには触れていない。正確には、聞いた者が行方知れず、儀式での体の構造変化等をマーリンが始めた時点で誰もそれに触れる者は居なかった。
 




