第652話 イギリスに
幻魔討伐の為、加藤彩美、木山廉、佐倉湊斗、上川恋歌の四人はとあるアメリカの高級ホテルのランウジに居た。
「……アメリカの二人はイギリスとの面会を求めているらしい」
湊斗のその発言に廉は疑問をぶつける。
「何で、アメリカ何ですか?」
「ドレア・ドレスが捕らわれているらしい」
「そうか。幻魔の新たな体にしようとしてるんですよね?」
「あぁ、だからこそ、近い内にイギリスに幻魔が現れるとされているんだ」
「その情報はどこから?」
「イギリスの女王だよ。予知能力者の中でもトップに君臨している方が予知した事らしい」
「それで、いつ幻魔は現れるんですか?」
「……そこに関しては、イギリスは何も公表していないらしい。だからこそ、今アメリカはイギリスとの面会の為、動いている」
湊斗のその発言に同調する様に、スカーレットは口を出す。
「そして、イギリスへ行く事になったわ」
「……そうですか。では、成功したんですね?」
「ええ、今から行きたいのだけど、大丈夫かしら?」
スカーレットのその提案に日本から来た四人は頷く。
その確認が取れた所で、エマは床に巨大な魔法陣を展開させると、六人を一瞬にして、イギリスへと移動させる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「……こっちは夜か」
転移を終えた廉は空を見上げ、そう告げた。
イギリスはアメリカと共に世界でもトップクラスの実力者が集まる国である。
イギリスは代々チーム[円卓の騎士団]を中心と国である。
トップに君臨するチーム[円卓の騎士団]の他に幹部達が別のチームのリーダーを努めている。
代々、[キング]、[クイーン]、[ジャック]、[ジョーカー]、[エース]、[クラブ]、[ハート]、[スペード]、[ダイヤ]、[ナイト]、「ソード」、[シールド]、[ランス]、[ロイヤル]、「ストレート」、「フラッシュ」、が存在している。
そんなチームに守られたイギリスは世界で最も犯罪が起こらない国とも呼ばれる国でもある。
「……では、行きましょう」
スカーレットのその言葉に従って、皆スカーレットの後に続く。
スカーレットはなんの迷いもないなく、王宮へと向かっていた。
「スカーレット・クイーン様ですね?」
「ええ、ここからは私の転移魔法での移動となります」
「分かったわ」
王宮の遥か手前で待っていた青年の転移魔法によって、六人はイ王宮内へと移動していた。
転移を終えた六人は椅子に腰かける女性を目にする。
その女性は見た目は六十は越えており、その目は何もかもを見透かした様な女性であった。




