第651話 アメリカへ
「……私、行くわ」
強絶のその言葉が後押しもあって、彩美は決断する。
アメリカへ行く決意を固めた彩美に何の迷いもない。
強絶はスカーレットに一枚の紙を手渡す。
「なにかしら?」
「事前に知らせてあった事が書かれた紙ですよ」
「……加藤彩美以外にも、連れていけって事ね。……監視って事で良いのかしら?」
「……戦力として、幻魔討伐に加えて貰いたいと志願です」
「断っても良いって事かしら?」
「……何故?」
「50人は多いわ」
「では、木山廉だけでも構いませんよ」
「……彼を?」
「はい」
「分かりました。アメリカは幻魔討伐に私とエマの二人だけよ。もう少し援軍を頂けますか?」
「では、佐倉湊斗と上川恋歌の二人を」
「ありがたいですね。(返答が早かったわね。事前に人選は終えていたようね)」
幻魔討伐の参加メンバーを決めるその話し合いが終わった応接室には廉と強絶の二人が残っていた。
「……不満か?」
「はい。俺は舞を助けないといけないんです」
「それに関しては、元東京本部防衛局が調べておこう。他にアメリカにいけない理由は?」
「……そもそも、行く理由が」
「加藤彩美はチーム[アブノーマル]のメンバーの筈だ?リーダーがそれで良いのか?」
「それは……」
「それにお前は行かなければ、いけない」
「どうゆうことですか?」
「幻魔を含めた十鬼シリーズの十体の鬼は人間の体にとあるものを入れる事によって、誕生する」
「どうゆうことなんですか?」
「俺も詳しくは知らないが、透明な玉の様なものを入れられただけで、その人間はその玉に応じた鬼に変貌するらしい」
「何で、そんな話を俺に?」
「……幻魔は新しい体の適正者を見つけたのさ。それがドレア・ドレスだ」
「幻魔はドレア・ドレスを狙っているって事ですか?」
「正確には、パラス・スケールだがなぁ」
「すみませんが、今までの話を聞いても、俺がアメリカに行く理由にはなっていません」
「そうだな。大事な事を何も伝えていなかったな。現在、幻鬼の体に使われている体は、木山ゲンマの体だ。記憶を失っているようだが、紛れも無い君の父親だよ」
「……俺の父親?」
「そうだ。川上舞の事なら、責任を持って調べておこう」
「……お願いします!」
「随分とあっさりしているな」
「俺なんかが出来る事はたかが知れてますよ。任せますね。俺には俺が出来る事をしますよ。幻魔は俺が倒します」
「期待しているよ。本部決定戦の前に帰って来られたら、君の修行は俺が見る事になっている。精々、力をつけてくれよ」




