第645話初めての敗北
「あんたの剣なんかに興味なんて、無い!」
天舞音は玲奈の周辺に無数の巨大な鏡を出現させる。
「……終わりよ。この鏡を破壊すれば、貴女の至るもの全てを破壊することが出来る」
自信、そして勝利を確信したその天舞音に玲奈はその状況を糸も簡単に打ち崩す。玲奈は手にしている黄金宝石の剣を軽く振るう。
すると、無数の巨大な鏡は切断されていく。
「……そんな……私の意思でしか破壊出来ない鏡が破壊された?」
「……物を産み出す系統の能力、異能は持ち主の力量によって、その強度は変動するわ。と、言っても私の黄金宝石の剣はオールキラーと言ったでしょ?今はさしずめ。ミラーキラーと言った所々かしら」
「ミラーキラー?ふざけるな。そんなに事で、この私が敗北するなんて事はない」
天舞音は再び無数の巨大な鏡を玲奈の回りに造り出す。
「私の力を教えてやる。貴女は何も出来ず、敗北する」
天舞音は巨大な鏡に写した巨大な鏡を遠隔で破壊しようとしたその時、無数の巨大な鏡は再び切断されていく。
「……残念だけど、貴女が造る鏡は全て、簡単に切断できてしまうわ。悪いけど、この勝負私の勝ちよ。今まで消した者達の記憶を元に戻すなら、気絶はしないわ。どうするの?」
「なにを勝ち誇っているのよ。勝つのは、私。私が勝つのよ」
「そう。残念ね。気絶だけで終わらせるわ」
玲奈は瞬時に天舞音の懐に移動すると、右拳を天舞音の腹にぶつける。
それによって、天舞音は遥か後方に吹き飛ばされ、鏡張りの建物へと衝突する。鏡張りの建物は鏡と建物が崩壊していた。天舞音は受け身を取る事なく、鏡張りの地面とへ落ちていく。
玲奈は黄金宝石の剣を振るい、天舞音が造り上げた鏡の国の異空間を一振りで崩壊させ、玲奈は元の日常へと戻っていく。
気絶した天舞音を置いていって
「……私が、この私が……負けた?」
目覚めた天舞音は自身の敗北を未だに受け止めらないまま、立ち上がる。
辺りに玲奈の姿が無い事を確認すると、天舞音は鏡の国を出て、元の世界へと戻っていく。
「……天舞音」
「元マネージャーの貴女が何の様?」
「……現マネージャーよ。川上玲奈が貴女を倒したと聞いて、ここで待っていたの」
「そう。私の消した記憶は?」
「皆、元に戻ったわ」
「……川上玲奈。あの女は私が倒すわ。……今のままでは、勝てないでしょうが」
天舞音は北海道支部の地下から地上へと上がっていく。
そんなに天舞音を追いかけたマネージャーはこのまま天舞音がどこかに行こうとしていると察していた。
「どこへ行くの?」
「……私は、アイドルよ。アイドルも戦闘も頂点に立つ女よ。戦闘も頂点に立つけど、アイドルもよ。アイドル活動を疎かにすることは無いわ」
「……そう。何処までも付いていくわ」




