第639話 有栖川天舞音(ありすがわあまね)
「どうゆうことですか?」
「貴女の母親には、昔屈辱を受けたのよ。そんな川上玲奈がチーム[ヴァルハラ]の副リーダージークフリードに敗北したと聞いて、無様な姿を見て、笑ってやろうと思っていたんだけど、面会出来ず、それが叶わなくとイラついていたんだけど、貴女をいじめればこの苛立ちはおさまるかも」
「……有栖川天舞音!貴女が日本一の美女だろうが、日本一のトップアイドルだろうが……お母さんの侮辱だけは許さない!」
「やっぱり、親子ね。自身ではなく他人の為に怒り、剣を振るう。貴女も剣士ね」
「そうだよ。お母さんと同じ私も剣士!」
舞は妖魔剣創造の異能を発動させ、紅桜を手にする。そんな紅桜を手にした舞を見て、天舞音は笑い始める。
「何が可笑しいの?」
「剣士?貴女が?」
「そう」
「ふざけるんじゃねぇぞ!くそガキ。剣を持って、振る舞わすのが、剣士って言うのか?だったら、猿が剣を持てば、剣士になるの?さっきから怖い顔をしているけど、それ何?川上玲奈なら剣を握れば殺気を全身から放つ。怖い顔で相手を脅す位しか出来ない貴女とは違う!」
「……何でお母さんにこだわるの?」
「私が人生において、一度のみの敗北をしたからだ」
「……お母さんの侮辱を訂正して」
「するわけ無いでしょ。さっさと始めましょ」
天舞音が右足を強く踏みつけると、鏡の国は崩壊する。
その鏡の国は何も無い空間へとなった。
「……鏡に関する能力か、異能なんでしょ?なんで鏡を消したの?」
「ハンデ。これぐらいしないと、勝負にならないから」
「そう。好きにしたらいい。この勝負勝たせて貰う」
「そうね。私を倒さないと、この空間からは出れないからね。頑張って」
舞は紅桜を構え、大量の桜を出現させる。
その大量の桜は舞の回りを囲む様に動き始める。
「……この程度?」
天舞音は造り出した手鏡と元々持っていた手鏡の二枚に桜を写す。
その写った鏡は写真に撮られた様に停止して、動くことはなかった。
天舞音はその二枚の手鏡を無造作に投げ捨てる。すると、手鏡に写っていた桜はガラスが割れる様にして、破壊される。
大量の桜の一部が破壊され、舞の姿が見えない程の桜だったが、一部の破壊が消えた事によって、舞の姿が一部だけ見える様になる。
しかし、直ぐ様、舞は破壊された桜を元に戻る様に量を増やす。
「数が多いな。だったら」
天舞音は自身の目の前に巨大な鏡を出現させ、舞を囲う大量の桜を写す取ると、巨大な鏡の裏側に居る天舞音は軽くデコピンを巨大な鏡にすると、鏡は脆く崩れ去る。




