第636話 メンバー達
五人がその場で待ち続けていると、金髪の男性が姿を現す。
「……揃っているな。上からの命令で俺が声をかけられる。元東京本部代表として君達をここに呼んだ。元東京本部高等部異能クラス三年にして、元東京本部防衛局副局長の橘強絶だ。悪いが君達には直ぐに決断してもらいたい。本部をかけた大会に出るか、出ないか、どちらか選んでくれ」
突然、現れた強絶のその突然の選択を選ぶ事となった五人だったが、五人は即答する。
「出ます!」
その答えを聞いて、強絶はスマホを耳に当てる。
「全員出てくるそうです」
強絶がスマホを耳から放すと、魔法陣が突然出現する。
その魔法陣からは四人の姿が現れる。
そこには、元東京本部防衛局局長にして、日本五大剣客のリーダーを務める沖田総司。
チーム[雷帝軍]のメンバー、元東京本部防衛局監察部隊部隊長である明神明。
チーム[ネクスト]のリーダー羽嶋涼子。
チーム[煌めき]のリーダー保志和輝。
この四人でその場には十人が揃った。
「……ここに居る十人が元東京本部代表として一週間後に行われる大会に出てもらう。命のやり取りは無いが、最悪の事態として、瀕死は覚悟してもらう。それでも構わないと心の底から思えるものだけここに残ってくれ」
元東京本部代表のリーダーとして、沖田は皆に確認を取る。
皆は答える事は無かったが、その場を去ろうとするものは居なかった。
「……そうか。理解した。チーム[アブノーマル]の三人と氷川氷、佐倉湊斗、橘強絶はここに残ってくれ、それ以外の者は今日は帰って貰う」
沖田のその言葉を受け、三人は帰り、残ったのは7人となる。
「……強絶、佐倉湊斗には必要は無いが、それ以外の者に関しては、修行をしてもらう。詳しくは強絶から話を聞いてくれ。後は任せよ」
沖田はその場を強絶に任せると魔法陣をくぐり、転移魔法によって、その場から離脱する。
「話は聞いての通りだ。修行は一人で行うのには限界があるだから、皆には修行相手を用意した。まずは木山廉には上川恋歌に任せてある」
「上川?」
廉は思わず、声を溢す。
「なんだ?」
威圧するかの様に発せられた強絶のその言葉に廉はそれ以上の声を発する事はなかった。
「剣術は上川恋歌だが、戦闘においては俺が務める。心しておけ」
「……はい!」
廉のその声を聞いて、強絶は少し笑みを溢すと、話を続ける。
「川上舞の修行相手は佐倉湊斗に任せる」
舞の修行相手が湊斗だと分かると、舞は湊斗を真っ直ぐ見つめる。
「宜しくお願いします」
「あぁ」




