第633話 沖田総司
新・日本五大剣客が元東京本部にある詰所に集まっていた。
奈良支部九十九家の家宝とされていた[王者覇剣]を選ばれ、能力者でもある九十九一十三。
千葉支部東雲家の人間であり、日本五大魔帝でもあり、空間魔法のスペシャリスト東雲将東。
元東京本部防衛局特殊情報部最高責任者であり、運命極論の神器を造り出す事の出来る能力者、上川恋歌。
元東京本部防衛局強襲部隊部隊長、にしてチーム[雷帝軍]のメンバー当麻総一郎。
元東京本部防衛局局長にして、日本一の魔力量を持つ沖田総司。
ここに新たな日本五大剣客が集う。
「……皆様、お集まり頂きありがとうございます。私は元東京本部防衛局に所属しております。伝達係でございます」
伝達係と名乗るその男の話を四人だけはしっかりと聞く事が出来たが、一十三だけはその声を聞く事は出来なかった。耳が遠い訳でも、聞くつもりも無いとゆう理由ではなく。彼女の場合は王者覇剣が大きく関わっていた。
「……失礼しました。一十三様には私の声が届く事は無いですね。どなたか、これから私が話す事を代弁してはいただけませんか?」
「……沖田様。私が」
伝達係のその提案に沖田の背後に居た天狗の様な出で立ちのものが進んで前に出る。
「分かった。任せるよ」
「沖田様の許可をいただいた為、その烏天狗が代弁させていただきます」
烏天狗を名乗りだした物語がいきなり、代弁とゆう台詞を発した事によって、一十三は首を傾げる。
「急になにかしら?」
「あなた様は見えてはいないと思いますが、ここに伝達係がおります」
「……いつから居たのかしら?」
「最初からです」
「……そう。また、なのね。それで随分と変わったコスプレをしている烏天狗さんは、どの様な立場なのかしら?ここには日本五大剣客しか出入りは許されていない筈でしょ?」
「私は沖田様の膨大な魔力によって、造られた存在でございます。つまり、ここに居る私は沖田様の一部と言っても過言ではありません」
「噂通りなのね。膨大な魔力によって、身を滅ぼす為に沖田総司は魔力を幾つもの妖怪に分ける事でその身を守っているって話は」
一十三のその発言を聞いていた沖田はおもわず笑みを溢す。
「少し、違うかな。僕が造り出した入れ物達は皆、妖怪の姿をしており、僕の魔力を管理させている。それは正解だけど、見ての通り。僕の両手首には魔法の鎖で造られたブレスレットに加え、この魔法の鎖で造られたネックレスは僕の能力を完全に封じている」
 




