第63話 似た者同士
「ここが貴女の部屋よ」
「ありがとうございます」
「明日は十時に広間に集まるから、それまでに支度しておいて」
「はい」
「それじゃあ」
私は扉を閉める。
ここが私の部屋。
私一人にしては広すぎる。
テレビ、冷蔵庫、ベッド、電話、机、生活するには問題無さそう。
とりあえず、私はベッドに仰向けで寝転ぶ。
今日は色々あった。
これから、私はどうすれば……
私はペガサスのぬいぐるみを見つめる。
ここにはお母さんの能力が入っている。
私が覚醒すれば悪魔の手を造り出す事が出来る。
ドレアさんはドラゴンのぬいぐるみをくれたけど、もしかしたらこのドラゴンのぬいぐるみに誰かの能力を入れろって事かな?
とりあえず、今日は寝よう。
私は目を閉じると直ぐに寝れた。
「う~ん」
起きて直ぐ私は体を伸ばす。
今何時だろう?
とりあえず、広間に行こう。
広間には浴衣ちゃんが居た。
「玲愛ちゃん。おはよう」
浴衣ちゃんは私に気づくと元気良く挨拶をしてくれた。
「浴衣ちゃん。一人?」
「うん。皆、夜行性だから」
「夜行性?」
「うん。私達は大体夜の依頼が多いから」
「それで夜行性なんだね」
「うん」
何で、浴衣ちゃんはここに居るんだろう?
見た目は可愛いし、とても明るい普通の女の子にしか見えないけど……
「浴衣ちゃんはいつからここに居るの?」
「う~ん」
浴衣ちゃんは腕を組んで考えている。
「一年位かな?もっとかな?大体一年」
「浴衣ちゃんはどんな事をしているの?」
「私は暗殺かな?」
……えっ?
こんな見た目が可愛らしい女の子からそんな言葉が出てくるなんて……予想もしてなかった。
「ここに居る人達は人を殺すの?」
「……」
浴衣ちゃんが初めて暗い表情を見せる。
「この世界を変えたい……から。悪い事はしているのは分かってるよ。でもね。私は止まらない。私みたいな人を一人でも救いたい」
「救いたい?」
「うん。私ね。お姉ちゃんが居るの。凄い強くてね。私もお姉ちゃんみたいになりたいって思っていたの。そんな時に私の能力と魔法が進化したの」
能力と魔法の進化?
確か能力の進化は能力向上で魔法は黒魔術か白魔術に別れる筈だよね。
……浴衣ちゃんって能力と魔法を扱えるの?
それって凄いんじゃあ無いかな?どうなんだろ?
「進化?」
「うん。私の魔法がね。黒魔術に目覚めたの」
「黒魔術って確か」
「うん。外国では当たり前にあるらしいけど、日本は違う。私の家は魔女の家として近所から嫌がらせを受けたの」
それって私と同じ。
お母さんが悪魔属性の能力ってだけで……