第626話 この世界の真相
「……そうだ。それに関しては僕も許せない。でも、殺す必要があったのか?」
「なければ、殺さないよ。殺す必要があったから殺したんだ」
「……昔から、貴方の考えは分からない」
「分かって貰う必要は無いよ。ただ、杉崎琢磨。君も殺す事にするよ」
「……必要があるからですか?」
「無いよ。でも殺す。そう思えたんだ」
「僕は死なない。そして、貴方を殺す事はしない」
「そんな甘い事を言っている内はこの世界の真相にはたどり着く事は出来ない」
「この世界の真相?」
「それを知るには君の人生は浅い。神に願うに、賽銭箱に小銭を放り、身の程知らずな願いをしている時点で無駄がある。その願いが叶うのは神の力ではない。己や環境、運等の力であり、神の力が関与する余地は無い。何かと言うと神を崇拝し、神にすがる。身の程を知れ!姿も声も聞こえぬ者を信じる等正気の沙汰ではない。だからこそ、神が誕生した時にこそ、その偉大な力と共にこの世は新たなステージを迎える」
「……随分と神に対して思う所があるみたいだね」
「簡単に言わないでくれ。神の誕生はそう遠く無い未来に訪れる。予言者では無いがそう断言するよ」
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琢磨にそう告げた木崎の目の前は今まで光景は無く、光に包まれた空間に変わっていた。
「……一部の記憶が封じられているから私の事は忘れているのかしら?」
女性のその声がする方向へ木崎は目を向ける。
「オリビア・カシー」
「あら?覚えているのね。木崎雄也!」
「何を言っているのか。何も分からないが、貴女が世界一の犯罪組織、管理する神の傘下であるNo.10のチーム率いるチーム[ブレイン]のリーダーを知らない人間がこの世に居るのか疑問だよ」
「そうね。私の話を聞く気はあるかしら?」
「多少はね。封じられたって所が気になるしね」
「封魔は分かるかしら?」
「管理する神No.8チーム[パンドラ]のリーダーパラス・スケールが造り出した十鬼の一体の事ですよね?」
「ええ、その通りよ。封魔は貴方の、嫌貴方達のチーム[ドミネーション]の全員は不意打ちとは言え、パラス・スケールの策略によって、封魔の力によって、記憶を封じられているのよ」
「どうゆう事ですか?」
「チーム[ドミネーション]は無能力者を利用出来る様に造られた組織だったんだよ。でも、パラス・スケールにとっては自身の研究の邪魔になると言う理由だけで、排除した様だけどね」
「そんな話を信じる理由もない」
「そう。でも、貴方のリーダーとは話がついているのよ」




