第622話 チーム[シャイニング]
現在の静岡支部には巨大な肉体の塊は存在していない。その理由はチーム[シャイニング]の存在があるからだ。
チーム[ドミネーション]の傘下のチームである[シャイニング]が居るここ静岡支部は一切の干渉を受けていなかった。
「リーダー」
リーダーと呼ばれた木崎雄也は静岡支部を壊滅させる指示を受けた事によって、とある事を考えていた。
「リーダー?」
「考えていた」
「なにを?」
「魔法の鎖の事だ」
「ここ静岡支部は魔法の鎖を造らせれば、世界レベルに達する程の出来栄えであり、その中でも杉崎家が造った魔法の鎖は世界中に高額の金でやり取りされているとされていますが……それがなにか?」
「……俺が言いたいのは何故、魔法の鎖と言う能力者が存在しているのかって事だ」
「それは儀式によって誕生したからでしょ?」
「……魔法の鎖は全ての力を封じるものだ。なのに何故儀式が行えた?」
「……それは……」
「答えられ無いだろ?」
「……はい。リーダーは察しがついて居るのですか?」
「……一つだけな。でも、だとしたら杉崎拓也を殺せば、あの女は魔法の鎖の能力者としては機能しなくなる」
「杉崎拓也?誰ですか?」
「杉崎琢磨の親父だ」
「……そうですか。こんな話をするからには何かあるのでしょ?」
「最初に杉崎家及び、チーム[グレイプニル]を潰す!」
「はい!行きましょう」
二人が動き出すが、その事実を知らないチーム[グレイプニル]はいつも通りの日常を送っていた。しかし、そんな中、チーム[グレイプニル]は日本中で起きている事柄を知ることになる。
「琢磨様」
チーム[グレイプニル]の副リーダーである黒髪の男ー守川翔馬はリーダーである杉崎琢磨へ慌てて、声をかける。
「どうかしたのか?」
「大変です。日本中が巨大な肉体の塊に埋め尽くされているそうです」
翔馬のその言葉を確認する様に、辺りを見渡す。
そこにはいつもと変わらない静岡支部の風景があった。
「何も異常はないと思うけど」
「確かに静岡支部は被害は有りませんが、他の支部には影響があるようです」
「……だとすると、何故か静岡支部は狙われない理由があるのか?もしくは、巨大な肉体の塊が静岡支部を敢えて避けたのか?……どっちだと思う?」
「……何とも言えません」
「何か嫌な感じがする。家に戻ろうか」
「はい!参りましょう」
二人は転移魔法を利用して、杉崎家へと移動を開始する。
「……これから、如何しますか?」
「家の状態を見たら、防衛局に行こう」
 




