第62話 メンバー
「誰から紹介しようかな」
浴衣ちゃんは頭を抱えている。
何だか可愛いな。
「浴衣、数は少ないんだから。早くしなさい」
「分かってるよ。ドレアちゃん」
浴衣ちゃんは暫く考えると
「先ずはこの子、黒川八重ちゃん」
「よろしく、私もここに来たばかりだから」
長い紫色の髪に素敵な髪飾りをている女の子。
黒川さんは笑顔で握手を求めてくれた。
私はそれに答える。
「よろしくお願いします。荒川玲愛です」
「じゃあ、次」
浴衣ちゃんは私の手を引いて、次のメンバーのもとまで連れていってくれた。
「次はこの子、東藤梓ちゃん」
「宜しく」
黒髪のポニーテールの女の子だ
浴衣ちゃんは私の手を引いて、次のメンバーのもとまで連れていってくれた。
「最後はこの子、鳴上琴音ちゃん」
「琴音です。よろしくね」
銀髪、短髪の女の子だ。
皆、この広間に集まってくれたのかな?
部屋は幾つもある様だけど……
ドレアさんが近づいてくる。
「紹介は終わったみたいね」
「うん。バッチリだよ」
浴衣ちゃんはドレアさんにVサインをして笑顔で答えた。
「貴女の事を玲愛と呼んでも良いかしら」
「はい。大丈夫です」
「では、玲愛。貴女に初任務を与えるわ」
初任務?
私に出来る事があればやってみたいけど
「任務ってなんですか?」
「大阪に行って、ある組織を潰して欲しいの」
組織?
「私に出来るでしょうか?」
ドレアさんは私の肩に手を置いて
「貴方にしか出来ないわ」
……私に期待してくれている?
「頑張ります」
「その任務でこのぬいぐるみは忘れずにね」
ドレアさんは私の持っていたペガサスのぬいぐるみを指を差す。
このペガサスのぬいぐるみはお母さんの能力を押し込めたけど
無我夢中でどうやった分からないけど私の知る神の義手は生物以外を手に変える能力の筈なのに何でこのペガサスのぬいぐるみは……
「ドレアさん。一つ良いですか?」
「良いわよ。何かしら」
「私の能力が変な感じになったんです」
「変に?」
「はい。黒いオーラも出て、意識が飛びそうになったんです」
「そう。それは覚醒ね」
「覚醒?」
「貴女は私と同じ神に選ばれたのよ。能力者の覚醒はこの世界に数十人しか居ないの。通常の能力者は能力向上に到達するんだけど、稀に目覚めるのよ。とても素敵な力。能力者が異能力者になるの」
「私の神の義手が覚醒したらどうなるんですか?」
「人それぞれね。扱い方次第で大きく世界を揺るがすわ」
「その、ドレアさんも覚醒しているんですか?」
「しているわ。チーム[ゼロ]で覚醒出来るのは私と貴女だけ」
……無神さんは?
「無神さんはできないんですか?」
「彼は異能力者よ。私達とは違うわ。そうだ。貴女にプレゼント」
「これですか?」
「ええ」
ドレアさんは可愛らしいドラゴンのぬいぐるみを私にプレゼントしてくれた。
「私達は今日からチーム[ゼロ]所属チーム[カオス]として動くわ」
「はい」
ドレアさんは広間に居たメンバーに告げた。
「玲愛。女の子が夜更かしするは美容の大敵って日本の女性は言うようだし、今夜はここまでよ」
そうだ。町を全壊させてからそんなに時間は経って無いはず。
「玲愛。貴女の部屋はこっちよ」
「あっ、はい」
私はドレアさんの後に続く。