表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第6章 氷竜神の蓮造花(ブリザード・ロータス)
603/1033

第603話 本気の兄弟

「……僕が生きている限り、(ひょう)。お前を一人にはしない」

「だから、お前を殺す!」

「死ねないよ。お前を天涯孤独の身にするわけには行かない。いずれその時は来るだろうけど、今はその時では無い。僕達が今するべき事は父さんと母さんの墓参りをすることだ!」

「……そこには、何も無い」

「確かに、父さんと母さんが存在している訳では無い。それでも……」

「良いぜ。俺に勝てたら、何処でも付いていってやるよ」

「……その言葉忘れるなよ」

「あぁ。約束は守るぜ」


(ひょう)は母親を凍りつかせていたオリジナルの氷を取り戻した事によって、オリジナルの氷竜を出せる上限の数が増えた事から合計で十体のオリジナルの氷竜を一瞬にして造り上げる。


「……紫音。覚醒を使ったら、どうだ?」

「そうだね。母さんが居なくなった事によって、氷神の花畑(コールド・ガーデン)の全てを得たよ」

「だったら、さっさと覚醒を使え。お前なら出来る筈だ」

「……氷神の花畑(コールド・ガーデン)と共に母さんの記憶が入り込んできたよ」

「……記憶?」

(ひょう)は覚えているか母さんの好きな花を!」


紫音は全身から冷気を放出させると、その場の部屋や廊下を凍らせると、とある氷で造られた花が出現する。


「……蓮の花」


(ひょう)は氷によって造られた蓮の花を見ると共に母親が好きな花を思い出していた。


「……一度二人で見たよね。母さんの氷神の花畑(コールド・ガーデン)が覚醒し、部屋中を氷の蓮で埋め尽くされたこの氷竜神の蓮造花(ブリザード・ロータス)を」

「……覚醒まで、母さんと同じだと?」

(ひょう)は……」

「俺は違う!お前と一緒にするなぁ。俺は父さんの覚醒とは違う!お前らとは違うんだよ」

「そうだろうね。血の繋がりがあっても、どれだけ仲が良くても、全く同じ人間なんて居ないよ。違って良いんだよ。それが(ひょう)なんだよ。僕はそんな(ひょう)だからこそ、誇れるんだ!」

「誇る?何を?」

「兄である自分を!そして、何よりも(ひょう)が弟と言う事実を!」


(ひょう)が反論を始めようと口を開こうとしたその瞬間、(ひょう)は突然眠気に襲われる。


「そう、だった……なぁ」

「そうだよ。母さんの部屋に氷の蓮の花があると僕達は気がつくと母さんの膝元に寝ていた。氷竜神の蓮造花(ブリザード・ロータス)によって、造られた蓮の花は全てのエネルギーを吸収する」


紫音のその言葉通り、(ひょう)の周りに出現していたオリジナルの氷竜は徐々に小さくなっていく。

それに加え、(ひょう)の体力等も吸収されていた。


(そうだったなぁ。母さんはいつもその氷の蓮の花で俺たちを寝かしつけていたなぁ)


薄れていく意識の中、(ひょう)は母親との記憶が甦る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ