表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第6章 氷竜神の蓮造花(ブリザード・ロータス)
602/1033

第602話 動き出す兄

紫音は氷の地面に滑る事なく、着地に成功すると、(ひょう)の元へと走り出す。


「……紫音。お前は俺には勝てない!」


(ひょう)は出現させていたオリジナルの氷竜を紫音に向けて、解き放つ。

破壊や干渉を一切受けないオリジナルの氷竜のその脅威を理解している紫音は氷神の花畑(コールド・ガーデン)を発動させ、様々な氷で造られた花や木などで防御体制を取る。


「そんな、雑草を並べても、止められねぇよ!」


(ひょう)のそんな叫び通りに紫音の造り出した氷の花や木等は(ひょう)のオリジナルの氷竜によって、切断されると、氷によって、繋ぎ止めてられていた。

切断され、繋ぎ止められた紫音の氷はその機能は停止していた。そんな紫音の氷とは違い、(ひょう)の氷竜は止まる事は無い。


(……今の僕の氷では、(ひょう)を止める事は出来ない。やっぱり、あそこに行くしかない!)


紫音はこの状況を打破する事が出来る可能性のある場所へと向かう覚悟を決める。紫音はオリジナルの氷竜の対処をする事なく、背を向けたまま走り出す。氷の城へと


「……どこにいくつもりだ?」


走り出す紫音を見て、(ひょう)は疑問を抱く。

そんな(ひょう)の疑問は直ぐに理解出来ることになる。

何故なら、紫音は氷の城の中へと入って行ったのだから。


「……まさか……そうか。あそこにいくつもりか」


紫音の向かう場所を理解した(ひょう)はオリジナルの氷竜を消し去る。

オリジナルの氷竜の追ってが無かった事から、紫音はその事を気にしながらもとある部屋の前で立ち止まる。


「……あの頃のままだね。母さん!」


氷付けになった母親を眺めると、紫音はどこか懐かしそうに呟く。


「当たり前だ。俺が維持していたんだからなぁ」

(ひょう)


背後に居る(ひょう)を背に感じながらも、振り返る事なく紫音は氷付けになった母親を眺める。すると、氷付けになっていた母親を包んでいる氷は溶けていく。


「何の真似だ。(ひょう)!」

「……お前の目の前で母さんの最後を見せると決めていたからなぁ」


氷が失くなり、肌が露出した母親の肌は腐敗していく。

紫音は(ひょう)の胸ぐらを掴むと、(ひょう)の顔を手繰り寄せる。


「何でこんな事を?」

「俺の暴滅氷神竜タイラント・ブリザードは親父が死んだ時に完全なものとなり、覚醒も出来る様になった。だったら、俺と同じく儀式によって、異能を取り替えられたなら……紫音、お前も同じだろ?」

「それが何の意味がある?」

「意味なんて無い。お前も本来の氷神の花畑(コールド・ガーデン)を使え!全力のお前を倒して、俺は氷川家と決別する!」

「……一人になる事が出来れば、逃げられると思うのか?」

「……なんだと?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ