第6話 入学式の前に
あの日廉は決めた事がある舞を守ると、共に住まう者として、同じ道場の門下生として、守り抜く事を
そして現在、入学式に向かう廉と舞の二人は能力者育成機関東京本部に向かう途中の道で一つの話題が語られる。それは舞の一言によるものだ。
「私達チームを作るでしょ……チーム名どうする?」
そうこの一言だ。
チーム名……俺と舞の特徴はそれほど似てない。
目的も無い。
このチームを大きくするつもりも無い。
……
「とりあえず……保留で」
「えっ、決めようよ」
「後で良いだろう」
俺は適当にはぐらかす。
今日の舞はいつも通りの舞だ。
いつものようにずっと笑っている。
笑って無い時が少ない位だ。
とりあえずは舞の妖魔剣創造を使わせない様にすると共に誰かに狙われたら……そいつを倒す。
玲奈さんの話だと舞の妖魔剣創造はこの世に無い剣、物を創造出来る。これを狙わう者は多い今までは玲奈さんが居たため大丈夫だったが、能力者育成機関東京本部に通うようになれば確実に狙う者が現れるだろう。
舞はほぼ無能者と言っても良いだろう。
舞はあの事件以来、妖魔剣創造を使用していない。
舞はそもそも剣の腕は俺以上だ。無能者が相手なら問題は無いが、能力者なら別だ。相手にもよるが大抵は勝てないだろう。
川上の家に住まわせて貰っている以上学校に居る間は舞は俺が守るんだ。
「入学式って午前中に終わるんだって」
「そうなのか?」
「うん。ほら」
舞は手に持っていた入学式のプログラム表を俺に見せる。
プログラム表には開始時間と行われる行事が書かれていた。
あれ?
「舞……」
「どうかした?」
「何で学校の関係者でもなく、在校生でもないお前がプログラム表を持っているんだ」
「これはお母さんに貰ったの」
そう言えば玲奈さんは道場の他に能力者育成機関東京本部の特別教員だったなぁ。
玲奈さんが学校に居てくれれば心強い。(舞を守る意味で)
「やっぱり大きいね」
「……そう言えば玲奈さんが前に無駄な所が多いって言っていた」
「そんな事ないと思うよ」
大きな校舎にも驚いたがシェルターの多さにも素直に驚いた。
ここは学校、避難所、コンビニ等多くの建物が敷き詰められている。
能力者育成機関は全国にあり、無能者は能力者育成機関に無断で入る事は出来ない。逆に能力者育成機関に住まう能力者達は自由に出入り出来る。
能力者育成機関とは能力者と無能者を分ける意味もある。
「舞、プログラム表貸して」
「はい」
俺はプログラム表を確認する。
プログラム表には入学式の行事の内容の他にこの能力者育成機関東京本部の詳細が書かれている。
ここ能力者育成機関東京本部は東京都の半分の大きさで地下には研究所が幾つもあると書かれている。
……寮もあり、この学校に居れば日常生活には困らないだろう。