第595話 氷対決
オリジナルの氷竜を破壊することに成功すれば、何らかのダメージを与えられる筈と言う考えに至った碧人は全身から黒いオーラを漂わせる。
そんな全身から黒いオーラを漂わせる碧人の体は徐々に黒いオーラは青い雷へと変化していた。
「覚醒か」
黒いオーラを体中から放出した事によって、氷は碧人の異能が覚醒したと言う事実を把握した。
覚醒は基本的な場合、異能の進化であり、稀に能力の進化としても知られる。そして、覚醒を果たす場合、一部の例外を除き黒いオーラを放出させると言う特徴が存在している。
これなら事から、氷は碧人の黒いオーラを見て、直ぐに碧人の異能が覚醒したと理解することが出来た。
「そうだ。氷の金剛石は覚醒を果たし、青き閃光の氷剛石となる」
「……氷と雷か。まぁ、何をしても俺のオリジナルの氷竜は破壊出来ねぇよ」
「……能力、異能において、オリジナルが存在している場合、そのオリジナルは破壊が可能な筈だ」
「……確かになぁ。オリジナルが出せる者はその者のポテンシャルによって、オリジナルの強度や能力が変化するものだ。俺のオリジナルの氷竜は今まで破壊された事の無い事から、俺が勝手破壊不能と言っているだけだがなぁ。でも、青森支部の連中を相手していた俺のオリジナルの氷竜は破壊的出来なかったぞ。お前は青森支部の上層部よりも優れているとは、思えねぇよ」
「優れているかは俺にも分からんが、俺には俺にしか出来ない事がある」
「……それじゃ見せて貰おうか?」
その氷の言葉に反応する様に碧人の背中からダイヤモンドと同じ強度を誇る氷の翼が二枚、青い雷を纏いながら、出現する。
「翼?移動能力を向上させてどうするつもりだ?」
氷のその疑問は直ぐに明らかになる。
碧人は氷の翼を二枚羽ばたかせ、飛行を始める。
飛び出した碧人は真っ直ぐ、氷の元へと向かって動き出す。
(……俺に近づく為だけに翼を出したのか?……だったら、走るだけでも良いはず)
氷のその疑問は仁も思っていた事だった。
飛行を始めた碧人だったが、その速度は普通に走った方が早い位だ。
そんな速度なら、走った方が良いだろう。碧人が造り出した二枚の翼は大きく、碧人自身の動きが制限される程の大きさである事から、このダイニングでそれを使ったのかその考えをこの場で理解出来ているのは、使用者である碧人のみだ。
そんな碧人の考えを理解するつもりを無い氷は出現させていた無数のオリジナルの氷竜を飛んでいる碧人へ向け、解き放つ。




