第573話氷の城の崩壊
「確かになぁ。だが、俺が求める副リーダーはお前しか居ない」
「……それはもう良いわ。それで次の質問に行っても、良いかしら?」
「構わない」
「この氷の城については特に触れないけど、この大広間の中心にある氷付けにされた女性は誰?」
「……俺の……母親だ」
「どうして氷付けに?そもそも、こんなに目立つ所に?」
「……全ては俺の覚悟だ。母と父は青森支部の上層部の者に殺され、俺に出来たのは、母を守る事だけだった。青森支部の上層部は母の異能をどうしても、欲しいらしい。だから、俺は守ると決めた」
聞きたいことは幾つもあったものの、柚子はそれ以上の質問を控えた。
そして、氷の頼まれたチーム[ブリザード]の副リーダーを務める様になる。
そんな、柚子はどこか期待していた。副リーダーを務めていたら、氷の事をもっと知れるかもと考えていた。
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(……結局、彼の事は何も分からなかったわね)
過去の事を思い返していた柚子は対処しきれない桜の花びらを前にして、手を止める。止めなくても、桜の花びらの柚子の体を包んでいた。
大量の桜の花びらは柚子の体に衝突すると、柚子を吹き飛ばし、後ろの氷の城に衝突する。
強度のある氷で造られた氷の城にヒビが入ると、脆く崩れ去る。




