第55話 過去の事件
チャイムが押してから数秒で一人の女性が出て来た。
この人が川上玲奈。黄金宝石の剣の異能力者で日本最強の女と言われている人。
「……もしかしたら佐倉紫音君?」
「はい。突然の訪問で申し訳ございません」
「気にしなくても良いわ。今日、学校はどうしたの?」
迷ったが僕は今日あった事を全て話した。
「……そう。とりあえず、上がって」
僕は玲奈さんに言われたまま、家に上がらせて貰った。
とりあえず、話は聞けそうだ。
リビングまで歩いて来て玲奈さんは椅子に座る。
「座って」
「はい。失礼します」
僕は椅子に座る。
玲奈さんは少しうつむくと、ゆっくりと話を始めた。
「話す前に一つ良いかしら」
「はい」
「この話は廉にはもちろん舞にも黙って貰っても良いかしら」
廉と舞に?
どうやら、廉の過去には相当な何かがあった様だ。僕以上の……
「分かりました」
「ありがとう。あれは二年前の山梨県で全てが始まった。檜山家、木山家は互いに競い合うそうな関係だった。だけど、そんな日常にある組織が乗り込んで来た。管理する神の傘下日本を拠点とするチーム[ゼロ]」
[ゼロ]?
確かチーム[フレイム]だった筈だ。
「チーム[フレイム]じゃ無いんですか??」
「そうなっているわ。けど実際は違う。日本を拠点にしている[ゼロ]が襲撃したの。そして女性たちは韓国のチーム[フレイム]に引き渡されたの」
管理する神……日本にもあるなんて、韓国にもあるのか。資料室で見た記録と明らかに違う。
「日本は各国から攻められ弱体化する一方、貴方には知る覚悟はあるかしら?」
「……教えて下さい」
何があろうと廉と共に戦って見せる。
氷雪が日本を最強にすると言った。
今、僕に出来る事は日本で何が起きたのかを知ること。そして僕は強くなる。日本で生きていく為に、大事な人達を守る為に……
「良いわ。二年前の山梨県の事件大きく関わる事になる一人の女の子の話を」
「女の子が、檜山家、木山家を襲ったんですか?」
「彼女は至って普通の女の子だった。だけど能力がいけなかった……」
「そんなに凄い能力だったんですか?」
「えぇ、神能力者よ。チーム[ゼロ]は現在大きくなりすぎた」
……僕が思ったよりも日本は不味い状況なのか?
「どこから話せば良いのかしら……あの子の全てから話すわ」
「お願いします」