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神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第2章 氷の蒼玉 (アイス・サファイア)
535/1033

第535話 奪われた力

倒れ込む碧人に厚美は駆け寄る。


「……氷の魔神(アイス・デビル)で碧人の異能力を一部奪ったのね」

「その通りですよ。これで、碧人は氷の金剛石(アイス・ダイヤモンド)の異能を満足に扱う事は出来ない」

「……私の弟にそんな事をして、ただで済むと思う?」

「……お怒りの貴女たまともに戦う事は避けますよ」


その言葉を残した茂人は逃走を始める。

厚美は茂人を追う事なく、碧人を抱き抱え、茂人が走って逃げた逆方向へと歩きだす。


ーーーーーーーーーー


「大丈夫?」


目を覚ました碧人の耳に届いたのは姉のその一言だった。

体を起こした碧人はいつもとは違う体の異変に気がつく。


「……俺は異能を失ったのか?」

「……氷の魔神(アイス・デビル)は氷を封印することが出来る魔道具よ。能力、異能の一部も封印出来るみたいね」

「一部って事は、全てが封印された訳では無いんだな」

「ええ、けど一部でも奪われている限り覚醒はものには出来ないわよ」

「……そうか。それであのまま逃げられたのか?」

「数人が後を追っているわ」

「だとすると、逃げられたな」

「……認めたく無いけどね」

「あいつに関してはいずれ俺がやる」


氷の金剛石(アイス・ダイヤモンド)の力を一部失っても、東京本部中等部内で優秀な成績を維持し続けていた。

それは氷の金剛石(アイス・ダイヤモンド)の強度が圧倒的だったからだ。

しかし、そんな碧人の人生を大きく揺るがす男が転入してくる。

その転入生として来た檜山仁との出会いによって、碧人の人生は大きく変化する。


ーーーーーーーーーー


そして、現在。


「どうかしたか?」

「……何でもない……ただ昔を思い返していただけだ」

「……奇遇だな」

「……本当になぁ」

「この氷を造った奴には勝てるのか?」

「何があっても勝つ!」


その碧人の覚悟を感じ取り、仁はそれ以上碧人に尋ねる事はなかった。


「かなり時間が経過しているけど、まだ来ないのか?」


時間がかなり経過して来ない事から五十嵐京介は痺れを切らし、尋ねる。


「……もう来るだろ」

「敵側には此方の情報がどう伝わっているだ?」

「あいつは氷の魔鏡(アイス・ミラージュ)によって、氷を経由して俺達の存在を確認している。時間がかかっているのは、転移魔法も、移動系統の能力、異能を扱える者があいつ、及びその仲間に無いからだ」

「……つまり、相手の移動手段は自身の足のみって事?」

「あぁ、来る前に伝えておく。あいつがどんな仲間を連れてくるかは、分からないが、あいつの能力は氷の蒼玉(アイス・サファイア)。強度もあるが、注意するのはその速度だ」

「……随分と詳しいんだね」

「昔、あいつは俺の師匠だったからな」


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