第520話 木山家の二人
「俺って昔はどんな奴だったんですか?」
「……そうだな。良くも悪くも生意気だったよ」
「それって?」
「いつも、強くなる為に力を付けようとしていたよ。俺も帰ると剣術の稽古に付き合わされたものだよ」
「そうなんですか?」
「うん。廉の炎神の魔武器は管理する神に狙われていたからね。自身の力だけでどうにか出来ないかと、良く悩んでいたよ」
「なんで、俺の炎神の魔武器は狙われたんですか?」
「管理する神は神の人体シリーズと、原初の神を集めているからね」
「……なんですか?それ」
「神の人体シリーズは全てを集めると神が誕生すると噂されるそれを管理する神はその都市伝説みたいなそれをやろうとしている。で、原初の神を集めているその過程で廉の炎神の魔武器が狙われた訳」
「神の人体シリーズについてはなんとなく分かりますが、原初の神って?」
「原初の神はこの世に神がもたらしたと言われている物がモチーフとなった神属性の能力、異能の事だ。」
「この世に神がもたらしたものって?」
「炎や水から人間までも含まれるこの世に存在しているもの達の事だよ」
「でも、炎なら俺よりも、もっと凄い炎があると思うのですけど」
「炎に関してはね。でも、炎神の魔武器は特別だ様々なものにもなれ、この世界を焼く事も出来るその可能性は管理する神にとっては魅力的だったのかもな。で、今も狙われているのか?」
「嫌、そんな感じはしないけど。でもディジーって奴に造られたリンって奴には会いました」
「……どんな奴なんだ?」
「金髪で俺と同じレヴァンティンを持っていました。でも、向こうは勝利の聖神剣は聖剣でした」
「なるほど、管理する神は廉のレヴァンティンを諦め、作り上げたか」
「本当に人間を造れると思いますか?」
「否定は出来ない。管理する神の所属するディジーは人間を造れると言う噂は何度も耳にするからな」
「そうですか。今回は宜しくお願いします」
「……敬語は止めてくれ、昔はため口だったからな」
「分かりました……嫌、分かった」
「よし、それで良い!」
二人が話す中、全員が準備を終え、待っていた。
「まだ、十分は経っていないが、構わないな?」
正平のその言葉に全員が無言で頷く。
それを確認した正平は安藤和真の元へと向かう。
暫くして、正平は転移魔法を扱う女性と共に戻ってくる。
「それでは、今から転移魔法で青森支部に向かう。準備は良いな?」
最後の確認を行う正平のその言葉に黒髪の女性が手を伸ばす。




