第504話 造られたケルベロス
「……リーダーとして、仇を取らせて貰う」
「好きにしろ!」
「ベロス。行くよ」
翔のその言葉と同時に雷のケルベロスは頭は翔の右手に移動すると、雷のケルベロスの頭上からは雷が伸び、剣状の形へと変化する。
「……変わったものだな。なんだそれ?」
「三頭の雷獣は僕の雷属性の魔法と魂の操作と賢者の石と僕の血の混合体だ」
「……良く分からん!」
「難しいものでは無いよ。魂の操作は魂の無いを操作するもので、雷の魔法を自在に操る事が出来る能力。賢者の石によって、ベロスは意思のある獣として永久的に存在することが可能って訳」
「つまり……どうゆう事だ?」
「……元々形の無いベロスはどんな形にもなれる。この剣状の状態もその一つだ」
「……なるほど、剣以外にもなれるって事だな?」
「そうだけど?」
「知られても、良いのか?」
「問題無いよ!それぐらいで揺らぐ程の実力では無いからね、僕は」
「そいつは楽しみだ!」
流島は右手に黒い雷を纏わせる。
「副リーダーは耐えられなかったぞ。この一撃は……お前はどうだ?」
黒い雷を目にした翔は静かに呟く。
「ベロス」
翔のその言葉に反応する様に翔の肩に乗るケルベロスの頭は翔の左手に移動する。
そんな翔に目もくれず、流島は行動を開始する。
「黒雷」
流島は右手に纏わせていた黒い雷を放出させる。
(……普通の錬成の魔武器位なら、破壊可能のようだが……流石は賢者の石を使っただけはあるな)
「あぁ、お前と同じく、破壊不可能の様だな」
(……ただのマントでは、役に立たないだろう?武器になるか?)
「まだ必要無い!」
(……それにしても、かなりデカイ雷の盾だな)
「あぁ」
縦にも横にも伸びたその雷の盾の中心のケルベロスの口が大きく開く。
(……前方に熱源反応だ)
「あぁ、ケルベロスの口から雷がいまにも出てきそうだ」
(向こうも盾を使っているんだ、俺もなるか?)
「必要無い。雷はあいつだけの専売特許じゃ、ねぇんだよ」
盾の中心にあるケルベロスの口から雷が放たれる。
そんな雷に対応する様に雷を眼前に流島は放つ。
「青雷」
青い雷はケルベロスの口から放たれた雷の全てを受け止める。
口から雷を出し終えたケルベロスの盾は徐々に小さくなっていく。
「……止められるとは思わなかった」
「止めるなんて簡単だ。が、お前のそれは破壊出来ないのは問題だ」
「……問題はそれだけではない」
肩に乗る一つだけ残った頭のケルベロスは翔の頭の上に登ると雷へと変化するとそのケルベロスは雷のマント状に変化する。




