第502話 土遁我流土竜(どとんがりゅうどりゅう)
「あぁ、分かっている。本気でやれそうだ」
右手に纏わせている土石の竜を目にしてから流島の目の色が変わり、流島の右手から溢れ出す雷は地面をえぐり、雷は天高く昇っていく。
(ぶつけるつもりか?)
「当たり前だ。俺の力が上だろうがな」
(はい、はい)
呆れた様に呟く藤島のその言葉に流島は笑みを溢すと右手を強く握り締め、迫り来る総助に向けて、構える。
総助は右手に纏わせていた土石の竜を流島の元へと送り込んでいく。
総助の右手から離れ、迫り来る土石の竜が迫り来る中、流島はその笑みを絶やす事は無かった。
土石の竜を流島は雷を纏わせていた右手を振るう。
右手から放たれた雷は一瞬にして土石の竜を破壊して、総助の居る場所まで伸びていく。
「土遁我流土石」
総助は印要らずによって地面を隆起させ、延び上がった地面によって回避する。
流島の雷は隆起した地面に衝突しただけであり、総助に当たる事は無かった。
しかし、空高く舞い上がった総助のその表情は優れなかった。
回避する事だけに集中していた総助は着地の事を一切考えてなかった。
(……随分と高く飛んだな)
「あぁ、着地はさせん!」
流島は全身から雷を放出させ、雷を地面にスパークさせる。
(……これで、地面を隆起させても、破壊されるな)
「あぁ、さって、どう対処する?」
地上へと落下を続ける総助は着地に力を使うよりも、全ての力を流島にぶつける事にした。
上空で総助は印要らずをすると
「土遁我流土竜:三又」
と大きく叫びながら、右手に土石の三つの頭の竜を造り上げる。
総助の叫び声を耳にした流島は総助の接近を肌に感じていた。
そんな流島上空へと目を向ける。
「来たか」
総助の姿を目で捕らえた流島は右手に炎を纏わせる。
その炎を一気に上空へと解き放つ。
その炎は総助右手の三つの頭の竜の元へと接触する。
炎が触れると共に総助の手元から二つの頭が離れ、流島の元へと向かっていく。
(……一つ残すからには、防御されたな)
「あぁ、それで二つこっちに来てるしな」
(どうする。マントのままで良いのか?)
「構わん!」
流島は右手に雷を纏わせる。その雷は徐々に色を変え、黒色へと変色していく。
(流島!)
「……これぐらい良いだろ?」
(駄目だ。俺の形状変神は変身中はダメージを受けない。盾になれば、あれぐらい防げる)
「必要無い。カメラは壊れている。やれるタイミングは今しか無い」
(カメラの修繕を確認した使わせんぞ!)
「あぁ、それで良い!」
流島は黒い雷を握り締める。




