第493話 五感拡張(ファイブ・エクス)
「確かに、この話は終わりにしましょう。今からは三種の神器の話を致しましょう」
「黙れ!この銃でお前を殺す!」
「……確かにその拳銃は厄介です。なので……」
三枝は言葉を止めると大きく息を吸い込むと、自身の能力である五感拡張を発動させる。
それによって、山口の老人は突然、拳銃を手放す。
それに続いて、三枝は声を荒げながら叫び散らす。
「うおおおおおお!」
三枝のその叫びに背後に居た藤崎はうるさいと思う位だったが、山口の老人だけは違った。両耳を塞ぎながら倒れ込んだ山口の老人を目にして、藤崎は三枝の隣に立つ。
「……五感拡張によって、触感を拡張させる事によって、敏感にさせ拳銃を手放させる事に成功。そして、聴覚の拡張と全身の感触を拡張した体に声の振動だけで気絶させるとはね。倒れる前に耳を押さえていた所を見ると、鼓膜が破れたのかしら?」
「ええ、そうゆう操作を致しましたから」
「さすがね」
「山口の老人を気絶させたのは良いけど、この後はどうするの?」
「……三種の神器の保管場所へ向かいます」
「どこにあるか分かったの?」
「はい」
「そう。それじゃ向かいましょう」
藤崎は異形な聖剣を発動させ、床から大量な肉体を出現させ、山口の老人の体を大量な肉体で包み込むと床へと沈めていく。
そんな光景を見つめていた二人は山口の老人の姿が無くなったのを確認すると三種の神器の保管場所へと足を進める。
そんな二人はとある部屋の目の前で足を止める。
「ここね?」
「はい。間違いありません!」
「そう」
藤崎は床から大量な肉体を出現させると、それを引き裂く。そこには山口の老人が居た。気絶している山口の老人はなんの支えも無い山口の老人は倒れ込む。そんな山口の老人に藤崎は床から伸びている肉体の塊を山口の老人の体と接触させる。
床から伸びる肉の塊によって、立つことが出来ている山口の老人に藤崎は床から伸びている肉を山口の老人の体内へと入れ込む。
床から伸びている肉体が入り込んだ山口の老人は藤崎の操作によって動き出す。
藤崎によって操作されている山口の老人は手際よく、扉を開けるため、指紋認証等を行っていく。
山口の老人によって、その扉は開かれる。
「……これが三種の神器……なんて事だ。これ程、錆びているとは……これでは……」
三種の神器を目にした三枝は膝から崩れ落ちる。
そんな三枝とは違い藤崎は冷静なまま、三種の神器を見つめていた。
「なにも問題無いわ。これで良いのよ」
 




