第477話 呆気無い幕切れ
魔法陣での防御を試みた麻倉だったが、白兎が覇者愚剣によって造られた無数の剣は地面へと落ちていく。
地面へと落ちた剣を見つめ、麻倉は首を傾げる。
「……なにがしたい?」
「覇者愚剣は愚像剣とも言われると共に創造剣とも言われる剣だ。お前のその周辺の剣達は覇者愚剣から生まれた剣だ。この意味分かるか?」
「……」
白兎のその言葉を直ぐには理解出来なかった。
白兎はその答えを答える事無く、実行にうつした。
剣達は一瞬にして、巨体な四角いキューブ状変化する。
それによって魔法陣で防御していた麻倉だったが、麻倉の周囲には巨体なキューブ状の変化した為、麻倉の魔法陣を破壊して、麻倉の体を挟み込む。
巨体なキューブに挟み込まれた麻倉は一瞬にして気を失う。
「……それで終わりかよ。もう少し、殺っていたかったな」
白兎は覇者愚剣の能力を排除して、巨体なキューブを消し、覇者聖剣をどす黒いオーラへと戻し、覇者愚剣へと戻す。
白兎は名残惜しそうに覇者愚剣を消す。
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白兎が麻倉と勝負していたその頃、チーム[ゴッドオーシャン]青紫色の髪に小柄な烏丸小浪の目の前にチーム[チャレンジャー]として参加していた茶髪で制服を着崩した小澤遥香が対峙していた。
「……それじゃ、始めましょうか?」
「まだ、戦えないでしょ?カメラが戻らないと」
「それなら、問題無いわ。カメラを排除したのは私だから」
「……なんの為に?」
「貴方達のリーダーをチーム[ドミネーション]に誘う為よ」
「……チーム[ドミネーション]がなにかしようとしている事は知っていたけど……まさか、学生達まで誘い込むなんて」
「……千葉支部代表チーム[シャドウ]、青森支部代表チーム[ブリザード]、そして私達チーム[魔剣士]は全てにチーム[ドミネーション]の参加に加わっているわ」
「それで次は沖縄支部代表チーム[ゴッドオーシャン]って訳?」
「そうよ。沖縄支部は神能力者、神異能力者が多いからその力を参加に加えたいそうよ」
「……だったら、無理ね。貴女は、嫌、チーム[ドミネーション]はなにも分かってない。流島丈太郎と言う人間をなにも理解出来てない」
「強い男と言う事だけは分かっているわ」
「確かにそうだけど、それだけでは語りきれない。流島丈太郎は誰にも縛られない。私達チーム[ゴッドオーシャン]は流島丈太郎によって造られたチームでは無い。彼に憧れ、付いていくと決めたもの達が彼に勝手に付き添っているだけの人間によって結成されたチームよ」
 




