第470話 神代家
「それは……」
「神代家と神田家は絶え間なく、いがみ合いを続けると聞いていたが、本当みたいだな。翔があんな態度を取るとはな」
「僕だって、あんな態度は取りたくは無い。けど、あいつの最近の行動は目に余る」
「……確かにな。だが、四月四日の襲撃によって神代家の当主は殺され、現在はあいつが当主と務めているんだろ?」
「あぁ、あいつの実力なら問題無く当主としてやって行けると思うよ。問題はあいつがチーム[ドミネーション]と関係を持っている事が自体だよ」
「神代家の為にあいつも動いているんだろ?それともチーム[ドミネーション]が神代白兎を勧誘した可能性もあるが……」
「どちらにしても、この大会は妙な感じがする」
「……妙?」
「うん。一日目の東京本部vs神奈川支部の戦いは覚えてる?」
「あぁ、能力者育成機関高等部一年決戦の開幕試合になった試合だったからな。それが?」
「新藤美穂乃と加藤彩美の戦いを覚えてる?」
「あぁ、超電磁銃の能力である新藤美穂乃が圧勝すると思ったが、加藤の奴も加藤家として雷に対する耐性があったからな。それを上手く利用して勝った試合だろ?」
北海道支部から東京本部へ転入した彩美の試合を思い出しながら、告げていく。
「そう。それを偶然だと思う?」
「それぐらいの偶然有るだろ?」
「だったら、その戦いで最後まで残った二人は?」
「……東京本部代表チーム[アブノーマル]のリーダーの木山廉と神奈川支部代表チーム[クラッシュ]のリーダー安藤隼人の戦いだろう?」
「うん。それも廉が有利な戦いだった」
「……東京本部と北海道支部の交流試合以来に木山を見たが、実力をかなり付けた様だが……それとは別にか?」
「うん。交流試合で廉と戦った僕だから分かる。廉は強くなった。しかし、それだけでは無い。その試合で初めて知ったけど、廉には魔に対する耐性があった為に安藤の暗黒物質相手でも問題無く戦う事が出来た。神奈川支部は東京本部と当たらなければ、確実に決勝まで勝ち残った筈の優勝候補だった筈だよ。それにチーム[クラッシュ]は敗北後、上原氷月以外の全員は神奈川支部防衛機関チーム[アサシン]とチーム[リベンジャー]に所属になったらしい」
「……つまり、神奈川支部の人間がチーム[クラッシュ]にチーム[アサシン]とチーム[リベンジャー]に入れたいが為に試合の対戦相手の操作が行われったって事か?」
「……推測だけどね」
「否定も出来ないだろう?」
 




