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神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第1章 部分移動(セレクション・ムーヴ)
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第465話 一部固定(パーツ・ソリッド)

吉凶は大量の情報を送られ続けるその状況から脱する為、雷を右手に纏わせると、自身の体に右手を当てる。

暴虐の雷号バイオレンス・サンダーの効果によって吉凶自身が異能を発動させなくても雷が全身を纏う。

しかし、暴虐の雷号バイオレンス・サンダーは一度触れたものが消滅するまで雷に覆われてしまう。つまり、吉凶はこの戦いに勝とうが負けようが雷に覆われ続ける事を意味していた。


(……まさかそこまでするとは)


内藤は吉凶のその行動に驚きを隠せずにいた。

吉凶の全身を纏うその雷に触れれば、内藤自身も雷に覆われてしまう事から先程と違って簡単に距離を詰める事が出来なくなっていた。

しかし、吉凶は大量の情報を頭に直接送られている為、動く事が出来ない。

二人はお互いに動けず、膠着状態(こうちゃくじょうたい)へと突入した。

そんな状態を見ていた伊織はこのまま見ているか、手を出すか悩んでいた。


(……内藤なら、この状態でも勝つことは出来る。しかし、橘吉凶が自滅的な行動をした事によってこのまま引いても、橘吉凶は死ぬまで……嫌、死んでもあの雷はあの体がある限り永久的に雷は纏い続ける。もはや、勝負にもなってないな)


伊織は現状の確認と勝負の考察を終えると内藤へ呼び掛ける。


「内藤。もうこの勝負をさっさと終わらせてやれ。橘吉凶の異能を奪って終わりだ」

(はい。伊織様)


伊織のその指示により、内藤は動き出す。

吉凶の全身を雷が纏っていた事もあって攻撃を躊躇っていた内藤だったが、伊織からの指示によって、内藤は今までとは違った能力を発動させる。

まず、内藤は部分移動(セレクション・ムーヴ)によって吉凶の目の前に出現すると一部固定(パーツ・ソリッド)を発動させる。

それによって吉凶の全身を纏わせる雷だけを固定化させる。

それによって、吉凶の全身を纏っていた雷の動きは停止して、暴虐の雷号バイオレンス・サンダーとしての異能までもが停止していた。

それによって、内藤は躊躇する事無く吉凶へと殴りかかる。

自身の体を永久的に雷に覆わせてから殴られるとは思わなかった吉凶は防御をする事もせずにふき飛ばれる。


(さっさと終わらせる。伊織様から受けた言葉を全て実行する)


内藤は一部固定(パーツ・ソリッド)を持続的に維持して吉凶の体を覆う雷の動きと異能の効果を停止させ続け内藤は攻撃を緩める事無く、連続で吉凶の体を己の拳によって殴りつけていく。

暫くすると吉凶は立っている事も出来ずに地面に倒れ込んでいた。


(仕上げだ。遺言でもあるなら聞いておく)


内藤は精神共有(テレパシー・ジャック)によって送っていた大量の情報を止め、吉凶に喋る余裕を与える。

自身の体を思い通りに動かせる様になった吉凶は右手を内藤へ向ける。

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