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神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第1章 魔法の鎖(グレイプニル)
403/1033

第403話 変化した父

白い魔法の翼を羽ばたかせ、激しい突風を起こす。

琢磨は体勢を崩し、遥か後方の建物に衝突する。


「どうした?」


雄也は防御も出来なかった琢磨を嘲笑うかのようにして語りかける。

琢磨は妖術が効かない事から転移魔法で逃走を試みる。

魔法陣を出現させた琢磨は魔力陣に潜ろうとしたその瞬間、雄也の右手から放たれた白いオーラが琢磨の魔法陣に触れた瞬間、魔法陣は白色に染まり、魔法陣として機能しなくなった事を悟った琢磨は諦めた様に雄也を見つめる。


「ここまでか」


雄也は上を見上げて、呟く。

雄也のその発言を受けて、琢磨は理解出来ずに雄也と同様に上を見上げる。

上には、黒い魔法の翼を羽ばたかせたものが飛んでいたけど

その翼は背中に一切接触しておらず、雄也の白い魔法の翼と類似している事が直ぐに琢磨は理解出来ていた。

その者は地に降り立つ。


「父さん」


琢磨は目の前に立ち尽くすそのものが自身の父親であることを背中を見ただけで理解出来た。


「木崎雄也。ここで引け」

「……ここに来られたって事はー」

「殺した。お前の父親を」

「……そうですか。これで次期当主から当主になれますよ」

「で、やるか?」

「止めておきますよ。今は、ね」


雄也は白い魔法の翼を羽ばたかせ飛んでいった。


「父さん?」

「琢磨。お前に話がある」

「話?」

「今までの杉崎家では駄目だ。これから杉崎家は更なる高みを目指す」


ーーーーーーーーーー


木崎家との抗争から数日が経過して、杉崎家の生き残りは葬儀に参加していた。


「琢磨様」


琢磨は声が聞こえた方向に体を向ける。


「翔馬。すまない。守川の葬儀もあるのに」

「気にしないで下さい。それよりもお母様が……」

「母さんは最後まで勇敢に戦ったらしい。母さんは最後まで僕の英雄だったよ」


琢磨は近づいて来る父親に気がつき、翔馬から距離を取る


「翔馬。すまない。これから用事があるんだ」

「葬儀はまだ始まってませんよ」

「……別れは済ませたよ」


いつもとは違う琢磨のその様子を見て違和感を感じながらも、琢磨の背中を見つめる事しか出来なかった。


「……父さん。あの約束は覚えてる?」

「あぁ、お前が魔法の鎖(グレイプニル)を一万作れば、お前の望みを一つ叶えてやる」

「だったら、僕は杉崎家を出ていくよ」

「……その望み、魔法の鎖(グレイプニル)を一万作り終えれば、叶えてやる」


琢磨は父と交わした約束を果たすため、魔法の鎖(グレイプニル)を毎日造り続けた。


ーーーーーーーーーー


琢磨が静岡支部中等部三年の秋。


「……父さん。今日で一万の魔法の鎖(グレイプニル)を造り終えるよ」

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