第391話 黒炎神の魔剣(レヴァンティン・ダークネス)
安藤は暗黒物質をかき消す廉の黒い炎への対象を考えながら、自身の髪色を確認して行動する。
安藤は全身から黒いオーラ放出させる。
廉はこの黒いオーラに触れると体が動かせる事が出来なくなるため、剣を振るい黒い炎でかき消す。
しかし、絶え間なく、放出する黒いオーラに廉は対応出来ず、徐々に体を動かす事が出来なくなっていく。
廉の全身が黒色に染まる。そんな廉に安藤は近づく。
「……これで俺の勝ちだ」
安藤は思わず、後退りしていく。
全身黒く染まっていた廉の体は徐々に戻っていく。
「……なんだ?」
安藤の暗黒物質の影響を受けていた廉の体は元通りに戻っていく。それと同時に黒炎神の魔剣の黒炎は激しく燃え上がる。
「お前、何者だ?」
暗黒物質を受けて動ける人間は今までに安藤の父親の安藤和真だけだった。それ以外の人間には今まで全て動きを止める事が出来ていた。
それは魔に耐性がある人間にもだ。
それなのに、廉は暗黒物質を体内に吸収して、自身の力に変えた様にも感じた安藤は廉が人間ならかすら疑っていた。
「……俺は俺だ」
「……ふざけるな。ふざけるなよ」
安藤の回りを取り囲む様に黒いオーラの竜巻が五つ。回転を始める。
「……お前が何者でもだろうが、これを退く事は出来ない」
安藤の髪は白色になっており、これ以上暗黒物質の能力が使えない事を把握して廉は黒炎神の魔剣を握る。
五つの黒い竜巻を退ければ、勝てると確信を持つ廉だったが、安藤が能力を使い果たしてまで、造った黒い竜巻には何かがあると思い。廉は直ぐには行動出来ずに居た。
「どうした?俺の暗黒物質の影響を受けないんだろ。お前は、だったら、見せてみろ。その力を」
「……そんなに俺の力が見たいなら、見せてやるよ。この力を」
廉は黒炎神の魔剣を強く握り、黒い炎を大量に放出させる。廉は黒い竜巻の一つに黒炎神の魔剣を振るう。それと同時に黒炎神の魔剣に纏っていた黒い炎が大量に放たれる。
廉の放った黒い炎は安藤の暗黒物質で造られた黒い竜巻によって吸い込まれ、激しい回転により、無力化される。
「……どうやら、この勝負見えたな」
「まだ、分からないだろ?」
「……分かるだろ?お前の攻撃は無力化された」
「あぁ、一度だけな」
「一度?何度でも無力化するさ」
「でも、お前はそこから動けないだろ?」
「確かに、五つの竜巻によって動けない。だからこそ、お前も俺に近づく事が出来ない」
「……嫌、出来る。俺に剣を教えてくれた人はその剣でどんな状況にいても、その現状を覆した」




