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神が宿る世界で【プロット版】  作者: 斑鳩
第5章 暗黒物質(ダーク・マター)
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第388話 暗黒物質(ダーク・マター)

安藤は右手に覆われた黒いオーラを紫音にぶつける。

紫音の体は顔以外の全てが黒く染まっていく。

紫音は体を動かす事が出来ず、唯一動かせる顔を動かす。


「……何故、顔だけ残した?」

「理由は無い。何故かそうなった」

「……だったら、早く終わらせたら良い」

「……」

「人質にするつもりか?」

「する必要があるか?」

「廉だ」

「……お前らのリーダーがなんだ?」

「君の黒いものが降り注いでも、廉は動ける」


紫音は大きなモニターを見つめる。

そんな紫音と同じ様に安藤も確認する。

廉はなんの支障も無く、走っていた。


「……あいつはなんだ?」

「魔に対する耐性があることは確実だよ。チーム[クラッシュ]の副リーダーの茅ヶ崎隼人と同じ様に」

「そうか」

「……僕をどうするつもりだ?」

「こうする」


安藤は右手から黒いオーラを放出させ、紫音の顔面にぶつけさせる。

黒いオーラを浴びた紫音は全身が黒く染まっていた。


「はぁはぁはぁ」

「……随分と息が上がってるな。大丈夫か?」


息を切らしながら、廉は全身が黒く染まった紫音を見つめる。

そんな廉は無言で安藤を睨み付ける。


「怖いね。でも、それは可笑しいだろ?」

「……」

「お前たちチーム[アブノーマル]も俺達チーム[クラッシュ]のメンバー達を傷つけていただろ?」

「……そうだ。けどー」

「けど?この大会は戦闘力の低下の対策の一環だ。これから日本は戦闘力強化の為、戦闘訓練が続くだろう。そんな甘い事を言っている様ではお前はここまでだ」

「……お前の言う通りだ。それでも俺は、なにもよりも仲間を大事にしたい」


睨み合う二人の元に医療班が転移魔法によって紫音を連れていく。

廉は炎神の魔武器(レヴァンティン)を発動させる。

炎神の魔武器(レヴァンティン)は廉が想像した武器を造り出す異能。廉は炎神の魔剣レヴァンティン・ソードを握る。

武器を持った廉に安藤は右手に黒いオーラを纏わせる。


「……無駄だ。俺の暗黒物質(ダーク・マター)は全ての物質を消滅させる事が出来る能力。と、言っても生物は消滅出来ずに黒く染め、その箇所の動きを封じる。お前の神器はその剣だろ?消滅は出来ないが、お前と精神が繋がっているからな俺の暗黒物質(ダーク・マター)に触れれば、お前にもダメージを受けるぞ」


廉は安藤の言っている事を直ぐに理解出来た。

川上玲奈の異能、黄金宝石の剣(バルムンク)を奪われ植物状態になっているのを見て、武器を造り出す能力、異能が奪われれば、その持ち主に多大な影響を与える事を廉は知った。

それに、廉は以前檜山仁によって命を狙われ、神器を奪われそうになった事があった。神器を奪うには持ち主を殺すか、精神的なダメージを与えるかのどちらかである事も廉は理解出来ていた。

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