第364話 超電磁銃(レールガン)
戦闘体制になった美穂乃を見て、実況の松元はマイクを握る。
「美穂乃の能力。超電磁銃が発動だ。この勝負どう見ますか強絶さん」
松元問いかけに解説の強絶は答える。
「……新藤美穂乃の能力、超電磁銃は雷属性としては勿論だが、レールガンとしても十分過ぎる力を発揮する能力だ。対して加藤彩美は北海道支部の名家の生き残り、見応えがあるな」
実況と解説の会話の中、美穂乃は超電磁銃の能力で造った雷の球体の七つの内、二つを自身の目の前へと移動させる。
「……加藤彩美。北海道支部では雷切姫って異名で呼ばれていた女でしょ?」
「だから?」
「……聞いただけ」
美穂乃はその言葉を吐き捨てると目の前にある二つを雷の球体から雷を放出させる。美穂乃の能力によりその一撃はマッハ5のスピードで彩美を襲う。その一撃は雷のみで行われており、美穂乃でしか出来ない芸当である。
彩美がマッハ5で向かってくるレールガンを避けられる筈も無く、直撃する。スピード、パワーを兼ね備えたその一撃が直撃したにも関わらず、美穂乃はその場から離れる事はなかった。それは相手が彩美だったからだ。
彩美以外なら美穂乃は直ぐ様、その場から離れていただろう。しかし、現在戦っているのは彩美だ。砂埃が舞い視界が際切られる中、美穂乃は少しずつ見てえくる彩美の姿に少し戸惑う。
「……噂通りね。加藤家は特殊な訓練により、雷に対する耐性があるって聞いてだけど……レールガンを生身で受けて無傷って……一体どうゆう身体構造なのか気になるわね」
美穂乃と会話をする気が無いのか彩美はただ美穂乃を睨み付ける。
「……嫌われる様な事はしてないと思うのだけど」
「……そうね。でも好きになる理由なんて無い。喋る理由も無い」
「……そう。それじゃ、会話は出来るだけ控えるわ」
美穂乃は自身の目の前にある二つの雷の球体から雷を放出させる。
その一撃はレールガンと同等の一撃である。
美穂乃は納得出来ない事があった。
レールガンを受けても無傷で居られる彩美の人体構造は一体どうなっているのか気になっていたけどしかし、考えた所で対策のしようも無い。
美穂乃はポケットに手を入れる。
(……魔法石はここに来る途中で取り上げられたから、使えない。実弾が入れてあった拳銃は捨てちゃったし……レールガンを遥かに超える攻撃をするしか無いわね)
美穂乃はポケットから手を出し、困った表情で彩美を見つめる。
魔法石があれば、レールガンと共に放出させて、魔法石内の魔力を解放して攻撃出来た。これがあれば、雷属性以外の属性が付加されるので、彩美にダメージが与える事が出来た。




