第36話 氷の脅威
「何をしてやがる」
俺はムカついた。
だから声も大きくなっていた。
石原碧人はスマホを弄っている。
余裕を見せやがって……
「チーム[アブノーマル]ね。リーダーは木山廉、異能力は炎神の魔武器で炎に包まれた魔武器の創造か。残りのメンバーは佐倉紫音、異能力は氷神の花畑作る氷は全て植物になる可愛らしい異能。川上舞、異能力は妖魔剣創造妖刀、魔剣、妖魔剣、この世にないとされる剣、物を造る事が出来る異能この世に無いもの……まさにゴースト……ね」
石原碧人はスマホで俺達の情報を見たのかスマホ見ながら告げる。
随分と様子な態度を見せる石原碧人に苛立ちは募るばかりだ。
「……炎神の魔武器よりも妖魔剣創造の方が仁にあった剣を造れるかもな」
石原碧人は舞を見ながら告げる。
石原碧人の言うことは少し分かる。
俺の炎神の魔武器の炎神の魔剣よりも優れた炎剣を造れるだろう。
石原碧人は確実に舞を狙うだろう。
俺は舞の前に立つ。
舞だけは守ってみせる。
石原碧人は俺達異能クラスの人間だが、昨日は居なかったが今日も居なかった……何故?
檜山仁は昨日一人で俺の前に現れた。
考えても仕方ない。
俺は舞を守る。
「お前は要らねぇ」
石原碧人のその声と同時に俺の下半身は身動きが取れなくなった。
地面と固定された。
足掻くが動けない。
本当に硬い氷だ。
「舞に逃げろ」
俺は後ろに居る舞に言った。
舞の返事はなく、足音だけが聞こえる。
逃げたのか?
その足音は小さくなるどころか大きくなっていく。
舞は俺の隣に立つ。
「逃げないよ……逃げられないしね」
そうだ。前方には石原碧人、後方は石原碧人の氷……俺達に逃げ場なんて無いんだ。
「くそっ」
俺の下半身包んでいた氷は右手まで覆われる。
これじゃあ、炎神の魔剣を振るえない。
……けど、石原碧人の氷の出し方は遅い気がする。
紫音の時は足首の上を氷付けにし、しばらくしてから両手を地面に固定させた。俺の時も下半身を氷付けにしてから暫くして俺の右手を凍らせた。
石原碧人の異能氷の金剛石は強度の氷だが、スピードが遅いのか、一度に作れる氷の量が少ないのか?
俺が動けない以上今戦えるのは……舞一人だけだ。
舞の妖魔剣創造は様々な剣を造れるにも関わらず今は普通の剣を創造している。