第29話チーム結成
俺と舞、紫音の三人は先生から用紙を貰いチーム結成の準備を始める。
「まずは名前だよね」
舞はチーム名を考え、うなだれていた。
紫音も腕を組み、考えいる。
俺はと言えばチーム名よりも今日、会議室であった話を考えていた。
「あれ、他の人達は」
「皆、外に出て任務中って所かな」
そう俺達は今、一年の異能力クラスにいるのだが、俺達三人以外は誰も居ない。皆さっさと居なくなってしまった。
報酬、単位がかかってるからなぁ
チームを組むには生徒同士なら誰でも問題なく中学生や学年、クラス等学校側が認めれば何でもありだ。
まあ、俺達には関係無い話か……
「廉も考えてる?」
「えっ……ああもちろん」
「じゃあ、一つぐらいある?」
「一つぐらいは……」
「何?」
まさか聞かれるとは……
紫音も俺の言葉を待ってる。
舞はニヤニヤと笑ってるし
俺達の共通点は異能力だから……
「アブノーマル……」
……何で二人とも黙ってるの?
「普通じゃあ無いこの感じ良い」
えっ……良いのか舞。俺が適当に言っただけだぞ。
紫音、お前は分かってるよな?
「う~ん」
よしっ紫音は戸惑っている。
断れ、紫音。
「二人が良いなら良いと思うよ」
……これで決まるのか?
……舞さん何故無言で用紙に書いてるんですか?
「廉、名前書いて」
「あぁ分かった」
俺は舞から紙を受け取る。
紙には舞の名前とチーム名は[アブノーマル]……それで行くんですね。
名前なんてどうでいいか。
俺は名前を書く。
……舞の名前は一番目と二番目を飛ばして三番目に書いてある。
どうやら一番目がリーダー、二番目が副リーダーとなるらしい。
舞の奴、一番楽な所を取ったか。
二番目に書くか?
それとも紫音に相談するべきか?
「どうかした?」
紫音は優しく声をかけてくれた。
……舞ならともかく、紫音には相談しよ。
「これなんだけど……」
俺はチーム結成の用紙を紫音に見せる。
「なるほど」
どうやら紫音はすぐに納得してくれた。
説明の手間が省ける。
「う~ん。僕はリーダーって柄じゃあ無いからね」
えっと、それは遠回しに俺にやれと……
俺がやるしか無いのか?
舞と紫音の目線が痛い。
「俺で良ければやるけど……」
「うん。僕は廉が良いと思ってたんだ」
……本当か?紫音。
「私も廉にしか出来ないと思ってた」
舞、お前は無言で押し付けてきたろが、思ったのなら言えよ。
色々あったが俺がリーダーを紫音が副リーダー、舞はメンバーとして用紙を職員室に提出する事になった。
提出はリーダーとして出せと舞と紫音に頼まれ……押し付けられた。