第289話 リン
管理する神による作戦により、チーム[ヴァルハラ]、チーム[フレイム]はチーム[ゼロ]の協力によって、現在東京本部の回りを女神の旗を地面に突き刺した事によって人の出入りが出来ない状況にも関わらず、二人の少女は東京本部の外に出ていた。
一人は金髪碧眼、小柄の少女。二人目は特に特徴が無い少女だ。
「リン様良いのですか?」
特徴が無い少女は金髪の少女ーリンに心配そうに尋ねる。
リンは心配そうに尋ねた少女と対象的に無邪気な笑顔で答えた。
「大丈夫だよ。上からの許可は貰ったから」
「だからと言って、私の能力の許可は……」
「それも含めてだよ。便利な能力で助かった。流石、チーム[フレイム]の副リーダーだよ」
「それで、そこまでしてどこに向かっているのですか?」
「……山梨支部だよ」
「山梨支部?」
「うん。お兄ちゃんが居るから」
「そうなんですか?」
「うん。東京本部にも居たんだけど、先ずは山梨支部から」
「東京本部と山梨支部に居るのですか?」
「えぇ、仁お兄ちゃんと廉お兄ちゃん。早く会いたいな」
「久しぶりに会うのですか?」
「違うよ。初めて会うの」
「えっ?」
リンから予想もしていなかった一言に思わず、特徴無い少女は声を漏らす。
特徴無い少女は慌てて、再確認をする。
「どうゆう事ですか?」
「そのままの意味だよ」
特徴無い少女は諦めた様にため息を漏らす。
そんな二人は山梨支部を目指し、歩き続ける。
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山梨支部高等学校の窓際に赤髪の少年は立ち尽くしていた。
赤髪の少年ー檜山仁は青く、透き通った空を眺めていた。
「仁。東京本部には女神の旗が地面に突き刺さっていて、入る事は出来ないぞ」
空を眺めていた仁に青髪の少年ー石原碧人はそう告げる。
「俺は何も言ってないぞ」
「そうか?俺の目には今にでも東京本部に行きそうに見えたがな」
「……」
「管理する神に敵対心を持つことは良いが、程ほどにしろ。俺達の実力じゃ殺されるぞ」
「今はな」
「……あぁ、今はな。実力をつけてからでも遅くは無いさ」
「あぁ。いずれその時は来る」
仁がそう言い終わると同時に校舎が強く揺れる。
校舎に居た生徒達はどよめき出す。
「どうした?」
仁はやって来た斉木正宗に確認を取る。
正宗はチーム[クリムゾン]のメンバーでこの時間帯はチーム[クリムゾン]が拠点としている屋敷に居たが、校舎の攻撃を確認して、この校舎にやって来ていた。