第280話 ブリュンヒルデ・キース
ブリュンヒルデ・キース。
チーム[ハンド]に所属しているブレア・キースの姉であり、ブレアと同じく女神の旗の神能力者でもある。
妹とは違い魔法も扱う。世界でも珍しい黒魔術:変装術を使う。
そんなブリュンヒルデは現在、チーム[ヴァルハラ]が動きやすくある様に動いていた。そんな彼女に電話がかかる。
「どうかした?」
「ヒルデ。そっちはどうだ?」
「慌ただしいわね。ジーク、貴方が人一人殺したせいで。お陰でチーム[ヴァルハラ]が日本に居る事は確実に気づかれているわ」
「……そうか」
「……魔王神剣を使う必要があったの?」
「必要さ。黄金宝石の剣を引き寄せるにはなぁ」
「……今更言っても仕方ない。こっちは上手くやるから、それまでは動かないで」
「あぁ、連絡を待っているぞ」
「えぇ」
ヒルデはスマホをポケットにしまうと東京本部を囲う様に旗を立てていく。
しかし、全てを囲っていたら時間がかかる。東京本部の広さは東京都の半分の大きさだ。しかし、ヒルデは女神の旗は立てていく。
「あら、速いわね」
ヒルデは自身と同じ様に旗を立てていた女性と出会う。
ヒルデは女性が来た方向を確認すると最後の旗を地面に突き刺す。
「ありがとう。助かったわ。ブレア」
「それじゃ、私行くから」
「久しぶりの姉妹の再会何だからゆっくりしたら?」
「再会?」
「えぇ、そうでしょ?」
「貴女が勝手に家を出ていったんでしょ」
「……そうね。あの家……どうなった?」
「……想像通りよ。嫌、それ以上かもね」
「それじゃ、生き残ったのはここに居る私達だけって事ね」
「そうね。貴女が見殺したせいでね」
「……言い訳しても、無駄だけどこれだけは言っておくわ。私はチーム[ヴァルハラ]に入って、管理する神に入ったらあの家を救おうとしていたのよ」
「……そう。もう関係無いけど」
冷たく、あしらうブレアはその場から離脱しようと動く出す。
「ブレア。ありがとう。この作戦が成功したら……また会えるかしら?」
「……」
ブレアは無言のまま歩き出す。
そんなブレアを見て、ヒルデはどこか申し訳なさそうに、寂しげな表情でブレアの後ろを姿を見つめる。
そして、ヒルデは覚悟を決める。
この作戦を成功させて、再び妹のブレアに会う事を明確に決め、動き出す。
東京本部防衛局。
東京本部内で五つあるこの機関は東京本部内で起きた事件解決の為会議する場所でもある。その情報を掴んでいたヒルデは侵入を試みる。