第272話 闇への誘(いざな)い
「ナギサこれからどうする?」
「……皆と合流しよ。でも、その前にそろそろ来る頃だけど」
「お前が連絡したって奴か?」
「うん。あ、来た」
ナギサのその言葉を聞いて京はゆっくりと歩いてくる無精髭の男を見つめる。
「誰だ?」
京は自身の目の前で止まった男を見て、そう告げる。
男は不思議そうな表情をして、ナギサを見つめる。
「どうやら、説明していなかったみたいだな」
男にそう言われ、ナギサは京を見つめ、話始める。
「この人は神奈川支部代表取締役、安藤和真。そして、主にこの日本で暗殺を指揮している人」
「暗殺?」
「うん……」
「それで?そんな奴が何の用だ?」
京は狂気じみた表情で訪ねる。
そんな京に対して無表情で安藤は答える。
「君達には私が指揮しているチームとは別の組織として動いて貰いたい」
「俺が引き受けると思うか?」
「答えは決まってる。そうナギサが言ったからな。間違い無いだろう。その意味は君が一番理解しているのでは?」
「……どうゆう事だ?ナギサ」
ナギサは覚悟を決め、京に真実を話す。
「京聞いて、この日本で生きていくにはもっと強くならないといけないの」
「この日本?何かあるのか?」
「うん。近いうちにチーム[ヴァルハラ]がこの東京本部に攻めてくる」
「チーム[ヴァルハラ]?」
「そう。チーム[ヴァルハラ]は近年勢力を増しているチーム。特にリーダーと副リーダーの力はとてつもない」
「……それで?なんでこいつの下につかないといかない?」
「生き残る為だよ」
京はナギサの表情を見て、嘘では無いことを確認すると安藤を見つめる。
「良いだろう。ただし、ナギサには……」
「分かってる。君には東京本部を担当してもらう。まずは、神奈川支部に来て貰うよ」
「分かった。幾つか頼みたい事がある」
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ショッピングモールから出て、成田と戦っていた京とナギサ、山瀬と戦った愛花、大地、美咲、長谷川、ナギアは近くの公園で話し合いを始めていた。
「チーム[リベンジャー]は神奈川支部代表取締役安藤和真が率いるチーム[アサシン]と共にこの日本を表から裏まで守る組織として動く事になった。ここからは子供のお遊びでは無い。それを理解した者だけ俺について来い」
ただならぬ雰囲気で話続ける京を見て直ぐに答える者は居なかった。
「私は付いていきます。そこにしか居場所はありませんから」
「私もだよ」
ナギアの言葉に続いてナギサも答える。
そんな二人に続いて、続々と答えが返ってくる。
「私もお願いします」
「美咲。……俺も行くぞ」
萱沼の兄弟がそう答える。親友である美咲のその答えに愛花は嬉しそうに応える。
「私も行きますから」
「では、僕もお願いしますね」
チーム[リベンジャー]のこの後の物語は神が宿る世界でー外伝ー能力者が行き交う世界でにて、連載しています。