第271話 海神の王剣(ネプチューン・ブレイド)
「君は異能から能力に切り替えてから時間がそれ程経ってない再び覚醒させるのは時間外かかるだろう。重力操作では僕を倒せないよ」
「いつも、お前は俺を見下す。学生の時から」
「見下した事なんて無いよ。ただ、助けたいんだ」
「助ける?何から?」
「管理する神から」
「……管理する神は世界を変える。そんな組織俺は居る。この意味が分かるか?俺は選ばれたんだよ」
成田のその言葉に羽田は成田を倒す事を決める。
羽田は一瞬で異能を発動させ、右手に剣を握る。
海神の王剣。
刀身からは留まること無く、水が垂れており、羽田がその気になれば日本中を沈めるだけの水量を一振りで出すことが出来る剣。
「敗けを認めてくれ、例え僕を倒す事が出来たとしても、君を捕らえる者はまだ居るここから逃げる事は出来ないよ」
「にげねぇよ。お前はここで終わられる」
「……残念だよ」
羽田は手にしていた海神の王剣を振るう。
距離があったが、問題では無い。剣が届かなくても剣先から大量の水が流れ出す。大量に向かって来る水に成田は重力操作を発動させる。しかし、成田が重力を操作出来る範囲よりも水の量が多く、成田は水に呑まれていく。
暫くして水は広がっていき、成田は地面の上に倒れていた。
地面に倒れ、動けなくなった成田に羽田にゆっくりと近づく。
「これで満足か?」
体を起こすこと無く、成田はそう告げた。
そんな成田を見て、海神の王剣を消す。
「満足なんてしないよ。成田、罪を償ってくれ」
羽田は苦しそうに告げた。
そんな羽田の背後からは無数の人間がゆっくりと距離を詰めていた。
羽田は振り返り歩いていく。羽田は無数の人間とすれ違い歩いていく。
無数の人間は成田は囲う様にして立ち尽くす。
「成田智則だな?」
男は確認を取る様に告げる。
「だったら?」
「……捕らえろ」
男のその声と共に無数の男が成田の体を持ち上げる。
「これに繋げ」
男は魔法の鎖を取り出す。
魔法の鎖に触れた者の魔法、能力、異能は無力化される。成田の両手を魔法の鎖で結んだ。
それにより、成田は能力も覚醒後の異能も使えない事になる。
「よし、連れていけ」
無数の男は成田を連れ、歩き出す。
一人残った男はスマホを取り出す。
「終わりました。これから合流しますか?」
「大丈夫だ。これから彼らを仲間に誘う」
「では、私達チーム[アサシン]は撤退を」
「あぁ」