第27話 新たなる新入生代表
「それで昨日の件で話があると聞いたんですが」
俺は早速本題に入る。
強絶……さんの名前の話はもう考えないぞ。
先生は答えてくれた。
「まずはこれを見てくれ」
先生は机に一枚の写真を俺に差し出す。
俺はその写真を受け取る。
写真には青髪の男が写っていた。
……この写真がどうかしたのか?
凶悪な人間にも見えないし……この写真が檜山仁とどう繋がるんだ?
「彼の名前は石原碧人君、今日欠席した……嫌、電話でこの学校を辞めると伝え電話を切ったんだけど……」
……辞める。何で俺にそんな事を?
俺は持っていた写真を先生に返す。
「それでこの写真の男が檜山仁と何の関係が?」
「石原君は檜山君が作ったチーム[クリムゾン]の一員だ」
「えっ……」
檜山仁はもう[クリムゾン]を結成させていたのか。
昨日、申請したのか?
だとしたら……[クリムゾン]は何人居るんだ?
「それで[クリムゾン]は何人で登録していたんですか?」
能力者育成機関はチームを結成する場合、用紙に名前、能力を書き込む事になっている。
「二人だけだよ」
……二人か。
少なくて良かったと喜ぶべきか……
多ければ厄介な事になっていたかもしれない。
……厄介な事って言えば、石原って奴は俺を狙っているのか?
「先生の話が終わったのなら、次良いですか?」
強絶さんは唐突に話を始める。
そう言えば強絶さんは何で居るんだろ?
「あぁ、良いよ」
先生は戸惑いながら答える。
それを受けて強絶さんは話を始める。
「檜山仁は新入生代表だった。一年生の代表は年間を通してやる事が多い。二日後には北海道支部との交流会がある」
北海道支部との交流会……初めて知った。
それが一体何だ?
「今から君には新しく新入生代表になって貰う」
「えっ……何で俺が?」
俺は驚きの余り強絶さんにため口で喋ってしまった。
強絶さんは俺を睨んでいる。
嫌、元々目付きが悪いだけか?
謝ったほうが良いか?
……まだ怒ってる?
謝ろう。
「君にはその資格がある。檜山仁を倒した時点でな」
強絶さんは俺が謝る前に話を続けてくれた。
俺が見た感じ怒ってなさそうだ。
良かった。
……新入生代表って何をするんだろ?
「新入生代表ってどんな事をするんですか?」
俺は疑問を強絶さんにぶつける。
強絶さんはしばらく考えると答えてくれた。
「一年生の中で強くあり続ければ良い」
……簡単に言うな……この人
……この話は断っても良いのか?
「断る事は出来るんですか?」
「……断るつもりか?」
……強絶さん、怖いですよ。
「嫌、やらせていただきます」