第268話 六道輪廻
六道輪廻。
人は死ぬと地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天界道のいずれかに行くと言われている。京の能力地獄戻りは死ぬと生き返るとゆう印象が強く、誰も知らない事実が存在していた。
それは地獄戻りの能力は地獄に行ってから帰ってくる。本人はその記憶が無いが、一瞬で地獄から戻り、日常に戻る。
京はナギサによってそれらの知識を知り、六道輪廻に能力向上した。
「大丈夫か?」
地面に倒れるナギサに京は近づくながら、告げる。
「うん、京は?」
「俺か?大丈夫だ」
「気分は?」
「心配するな。大丈夫だから」
「良かった」
「……ナギサ。一つ聞いても良いか?」
「何?」
「この黒いオーラは覚醒と黒魔術の象徴なんだよな?」
「そうだよ」
「それじゃ俺の体中から出てるこのオーラは?」
「人間道だよ」
「人間道?」
「うん。京が死んで行ったのが一番多いのは人間道だし、憎しみが溢れた所だからね」
「……人間道ね。確か他にもあったよな?」
「うん。切り替え出来ない?」
「切り替えって簡単に言いやがる。スイッチみたいなものがあれば簡単にやってる。それにしても何で俺も知らない事を知ってる。地獄に落ちた事を知っているのは良い、だが、何で人間道に一番行ったて分かる?」
「京がこの世界も憎しみ続けながらも愛し続けていたからだよ」
「……なんだ。それ?」
「……いずれ気がつくと思うよ」
「……まぁ、良い。この程度で倒せたか?」
京は成田を本当に倒せたか確認をとるため、倒れる成田を見つめる。
成田は動かず倒れたままだ。しかし、京は倒せた実感が無かった。
「……お前ごときに俺が負ける訳にはいかねぇんだよ」
成田はゆっくりと体を起こし、京を睨み付ける。
「しぶといな」
体中から黒いオーラを放出させている成田を見ながら京は告げる。
この黒いオーラが成田の能力重力操作から覚醒して黒神の重力の異能に覚醒したことを意味していた。
そんな、成田を見て、京は余裕の笑みを浮かべ続ける。
「能力から異能に切り替えたか。これでまた切り替えるには時間がかかる」
「そうだな。だが、もう重力操作を使う必要はない。これさえ、あれば」
成田の左右には歪んだ空間が出現する。
その歪んだ空間は辺りにある成田以外を吸い込み始める。
「ナギサ。大丈夫か?」
「うん」
京は後ろのナギサを守りながら成田を倒す為、動き出す。