第262話 集合
買い物に来ていたチーム[リベンジャー]は地下駐車場所に集まっていた。
しかし、そこには長谷川の姿は無く、その場から離れようともしていなかった。
「それでこれからどうしますか?」
最初に口を開いたのはナギアだった。
ナギアのその問いにナギサは暫く考えると答える。
「先ずは、皆が会った成田、山瀬について教えて」
「成田はまるで別人の様になっていました。彼の能力重力操作は覚醒しており、黒神の重力になっていて、厄介な相手だと思われます」
「覚醒を?」
「はい。成田はオリジナルの情報を全て手に入れたと言ってましたが」
「普通の人間の脳が耐えられるわけないのに」
ナギサは深くは考えず現状を正しく認識するべく、愛花に山瀬の情報を聞き出す。
「それで、山瀬って人は?」
「山瀬って人も覚醒していたわ。空間移動が異空間移動になっていたけど」
「異空間移動ってどんな異能だった?」
「……詳しくは分からないけど、別空間を造り出して、私との戦いでは速度が一定にされたけど」
「つまり、自身が造り出した空間内では自身が造ったルールを与えるって所かな」
ナギサは今までの事から一つの答えを出す。
「異空間を造れるとしたらこのショッピングモールからは出られそうに無いね。ショッピングモール全体を別空間に包んでいると思うから」
「では、ここから出られないのか?」
ナギサのその言葉に大地は不安をナギサにぶつける。
「山瀬って男を倒せば何とかなると思うけど」
「そうか。先ずは、山瀬を倒せば良いのか」
大地のその台詞を聞いて、京は決意を固める。
「それじゃ、成田は俺一人でやる。残り全員で山瀬をやれ」
「京」
ナギサは京がやろうとしている事を止めるべく、声を荒げる。
「どうした?」
「駄目だよ。成田は京一人で倒せる相手じゃあ無い」
「だとしても俺はやるぞ」
「でも」
「心配するな。この力は制御してやるから」
ただならぬ、雰囲気で会話する二人を見て、大地は提案する。
「何を言い合っているか分からないが、作戦としては良いんじゃないか?」
「……分かった。京の言う通りに別れよう。正し、私は京に着いていく」
一人で戦おうとしていた京はナギサのその台詞に食い付く。
「何を言ってる?」
「心配だから」
「わざわざ、危ない場所に来る事無いだろ?」
「だからだよ。危ないでしょ」
京はナギサのその言葉に何も言い返す事無く、受け入れた。