第255話 魔法、能力、異能の進化
「まずは、進化の種類ね」
「はぁ」
「ため息しない」
「分かったよ。それで?」
「魔法、能力、異能の進化について教えるね」
「あぁ、簡潔にな」
「魔法の進化は二種。白魔術と黒魔術の二種。能力者はここまでだけど、魔法だけしか使えない者は次の進化に目覚める事が出来る。僅かな人間しか出来ないけど白呪術、黒呪術に目覚める事が出来るの」
「なるほど」
「しっかり理解してる?」
「何となく」
「京は魔法が使えないからここは覚えなくても良いけど次からはしっかりと聞いて、理解してね」
「あぁ」
「次は能力の進化ね。能力の通常の進化は能力向上。そして、異端の進化、覚醒。能力から外れ、異能に目覚める事があるんだよ。そしてここからが能力者の面白い所、能力は能力向上すると能力向上前の能力と能力向上後の能力二つが使えるの。それとは別に覚醒すると能力は使えず、覚醒後の異能力だけしか使えなくなるの。覚醒を自在に操る事が出来る人でも切り替えるには時間がかかるからそこが弱点にもなるんだよ」
「話、長くない?」
「次で最後だよ」
「じゃあ、手短にな」
「異能の進化は覚醒と呼ばれるの。異能者は複数の覚醒が出来るのが特徴だよ。ただし、能力が覚醒しても一つだけの異能しか獲得出来ないの」
ナギサの話を聞き終わると京は立ち上がる。
「つまり、俺の能力地獄戻りはお前の神の頭脳によって底上げしたって言ってたな?」
「うん。正確には能力の底上げと言うよりも京の潜在的な能力だよ」
「俺は魔法が使えないから……覚醒しているのか?」
「確かに、黒いオーラは黒魔術や覚醒の象徴とされるけど例外もあるよ」
「じゃあ、俺の黒いオーラは……」
地下の駐車場にサイレンが鳴り響く。
それに続いて人々の悲鳴が続く。
「この悲鳴……近いな」
「ここは駐車場だからね」
「何かから逃げてるみたいだな」
「京、合流しよう」
「あいつ達なら転移魔法で逃げる事が出来るだろ?」
「……相手によって状況は変わるよ」
「……連絡先交換してねぇからな。目で確認するしか無いな」
「早くしよ」
ナギサは駆け足でエレベーターに向かう
「エレベーターは無理だ。壁を壊して行くぞ。何処を壊せば上に行ける?」
「壁を壊す?」
「既に上は破壊されてるだろう?だったら地下の壁の一つや二つ壊しても問題無いだろう」
「……嫌、あると思うけど……」