第254話 買い物
ナギサの提案によってチーム[リベンジャー]の全員は買い物をするべくショッピングモールにやって来ていた。
「人数も多いし、二手に別れて行動しよう」
ナギサは笑顔でそうメンバー全員に告げる。
「それでどのように別れるのですか?」
ナギサの話を聞いていた長谷川はナギサに尋ねる。
ナギサは暫く、考え込むと笑顔で答えた。
「京と私で日用品を買うから、残りのメンバーはこのメモの物をお願い」
ナギサの指示によって全員が移動を開始する。
「ナギア、長谷川君」
ナギサに呼び止められた二人は立ち止まる。
「ナギア、長谷川君周りには警戒してね。念のため」
「はい。命令、承ります」
言われたまま従ったナギアと違って長谷川はナギサに疑問をぶつけた。
「何かあるのかな?」
「念のため、だよ」
「……分かった。警戒はするよ」
長谷川は戸惑いながらもナギサに言われた事を実行する事を誓った。
「どうかしたか?」
京は二手に別れて行動するにも関わらず移動開始しない三人に尋ねる。
「何でも無いよ」
ナギサは笑顔でそう答えると京の元に駆け寄る。
取り残された長谷川は瓜二つの顔を持つ二人に疑問を持つ。
「それで君と彼女は一体……」
「彼女は神の頭脳の神能力者。この世界で彼女に頭脳に勝る人間は居ないでしょう。そして、私はそんなナギサの情報を元に造られた人造人間です」
「……なるほど」
長谷川はおおよそ理解したが、これ以上の質問を止めた。
京とナギサは日用品を買うため、歩き始めていた。
「さっきは何を話していたんだ?」
「念のため、警戒して貰おうと」
「そうか。お前が警戒を求めるって事は襲撃を受けるかもな」
「分からないよ」
「こっちの警戒はどうするんだ?」
「……京と二人になったのは、京の能力についてだよ」
京は何となく予想していた言葉を聞いて、次のナギサの言葉に耳を傾けた。
「私の能力で京の能力は底上げしたけど、制御出来てないから……それを制御出来る様にしよ」
「出来るのか?」
「うん。私の能力で京の能力を安定させて進化できる様にしたいの」
「それで、どうすれば良い?」
「こっちに来て」
京はナギサの指示通りに後をついて行く。
ナギサが止まったのは地下の駐車場。
京は不思議そうな表情でナギサを見つめる。
「まずは魔法、能力、異能について説明するね」
「長くなりそうだな」
「我慢してよ。理解することが大事何だから」
「分かったよ」
京は観念した様に告げ、駐車場に座り込む。
そんな京と同じく、ナギサも座り込む。