第252話 彩美の思い
彩美は両手に雷を纏わせる。
そんな彩美を見て、廉は炎神の魔装、炎神の魔拳を消す。
「何をしている?」
「俺には戦うつもりは無い」
「じゃあ、遠慮無く、撃つわ」
「あぁ、俺は信じてるからな」
「何を?」
「舞を、舞が信じたお前を」
「……そう」
彩美は手に纏っていた雷を消す。
「もう良い」
そう言うと彩美は何事も無かったようにその場を後にする。
「待てよ」
階段に向かう彩美を廉は呼び止めた。
彩美は不機嫌そうに振り向く。
「何?」
「何がしたかったんだ?」
「チーム[アブノーマル]のメンバーに私はなるのよ。リーダーの実力は知りたかったの。舞の言う通り、攻撃して来ないから実力を見る事も出来なかったけど」
「実力なら田中亮太との戦いを見ただろう?」
「間近で見たかったのよ」
彩美笑みを浮かべると階段を降りていく。
そんな彩美を見て、廉は不思議そうな顔をして、廉は彩美に続いて階段を降りていく。
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「遅かったね」
「舞。あいつ一体どんな奴何だ?」
廉は居候している川上家に戻り、舞に問い詰める。
「優しい子だよ」
舞は笑顔でそう答えた。
そんな舞を見て諦めた様に廉はため息を溢した。
「そうか」
廉はその一言だけ告げて部屋に戻った。
(舞の事は大事に思っているようだけど舞以外には関心が無い。あいつとの関わりかたは気を付けよ)
廉はベッドに横たわり、目を閉じた