第247話 拳(けん)と剣
空中で戦いを繰り広げている廉と亮太を残されていたメンバーは上を見上げていた。
「あいつ、何とか食らいついているみたいだけど、勝てるの?」
彩美は廉と亮太の戦いを見て、苦戦している廉の勝機があるのか隣に居た舞に聞いていた。
「でも、良い勝負していると思うけど……」
舞は答え憎そうに答えた。
そんな舞を見て、優菜は笑みを溢す。
「確かに、廉の実力は昔よりも強くなっている様だけど、それだけでは彼には勝てないわよ」
「廉なら勝てるよ」
さっきまでと違い舞は自信を持って答えた。
「信頼してるわね」
「当たり前だよ。私たちのリーダーだもん」
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空では廉と亮太の空中戦が繰り広げられていた。
廉は炎神の魔剣を振るい、亮太は竜の鱗を纏った拳を振るっていた。
「ここまで、出来るとはなぁ」
「当たり前だろ。俺だぞ。このまま勝たせて貰う」
「……悪いが、この勝負だけは譲れねぇ」
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勝利の執念を見せる亮太は過去の出来事を思い出していた。
それはチーム[ドラゴノイド]のリーダーが荒川玲愛に殺される前の話。
大阪のとある団地。
「師匠」
亮太のその声は廃墟となった団地に響く。
「亮太か?」
「はい」
亮太の目の前に竜の兵隊の能力者が目の前に現れる。
そんな状況に亮太の目の前に立つ男は暗い表情で亮太に近づく。
「もうここには来るなと言っただろう」
「けどさ。半神半竜が上手く使えないんだよ」
「他を当たれ」
「神能力者は居るけど、竜属性の能力何て師匠位だよ」
「だからと言って、俺に頼るな。おれば管理する神を敵に回してしまった。あいつらは近いうちここに攻めに来る」
「だから?師匠なら簡単に倒せるだろ?」
「どうだろうな?」
数日後。
瓦礫の山を亮太は見つめていた。
そして、亮太は師匠の死を認識した。
この時亮太は心に誓った。管理する神を倒すと……チーム[ドラゴノイド]として。
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「そろそろ、終わらせようぜ」
廉のその提案に亮太は笑みを浮かべる。
「良いだろう。終わりにするか」
亮太は竜の鱗に覆われている拳を握る。
そんな亮太と同じく廉も炎神の魔剣を強く握る。
更に廉は竜の鱗の強度から炎神の魔武器を発動させる。
現在、炎神の魔装、炎神の魔剣を装備している。しかし、廉はもう一つを装備する。