第240話インプラント
成田が目を覚ました時、そこには一人の男が居た。
「起きたか?」
成田はビルの上に居る事に気がつく。
「空間移動か?」
「あぁ、他の人間は連れて来ていないぞ。俺の空間を壊される可能性があるからな」
「……何処に行ったか、分かるか?」
「済まないな」
成田は空を眺め、覚悟を決める。
「研究所に向かう」
成田はふらつく体を起こし、重力操作を発動させ、宙へ浮き研究所まで移動を始める。
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「ナギサのデータは何処にある?」
「成田様一体何を?」
「ナギサの知識を得る。そうすれば、俺は覚醒出来る」
「しかし、ナギサの知識は膨大です」
成田は重力操作を発動させ、地面に倒れさせる。
「黙ってろ。俺はやる」
成田はナギサの知識がある部屋に向かう。
成田はパソコンと向き合う。そして、準備を終える。
「おい、手伝え」
「何を?」
「脳にこれを埋め込め」
「これは……良いのですか?」
「覚悟は出来ている」
「……分かりました」
研究所職員は成田から手渡された小さなチップを手にして、成田の後に続く。
「本当に良いのですね」
「あぁ」
「では、すぐに手術出来る者を用意します」
研究所職員は部屋を後にする。成田は1人目を閉じて思い返していた。
敗北だらけの人生を……