第239話 成田の過去
(ついてこの瞬間が……)
成田はようやく望んでいたこの瞬間に過去の日々を思い返していた。
それは成田が高校生の時まで遡る。
能力育成機関東京本部高等学校で成田は一つの考えに取りつかれる事になる。
「成田、何処へ行く?」
「……また、お前か?」
廊下を歩く、成田を強い口調で呼び止める人物は羽田海斗。後に廉達の担任となる人物だ。
「これから授業だぞ」
「それがどうした?」
「何か急な用件があるなら僕が伝えおくけど」
「用……ね?無いけど、行く場所はある」
「……何処に行くんだ?」
「俺は管理する神に入る。その為に俺は手柄が必要だ。お前たち見たいに戯れている暇は無い」
「……管理する神に加入する事は勿論、口に出すことも重罪だぞ。口を慎め。今回は聞かなかった事にするよ」
「そうか。優等生は言う事が違うね」
そう言うと成田は羽田の静止を聞くことも無く、外へと向かい歩いていく。
羽田はそんな成田を見つめる事しかしなかった。
二人の関係は三年間、競いあっていた。しかし、最後は……
「残念だよ」
「……今まで手を抜いていたのか?」
「嫌、友達には本気を出すような真似は僕はしないよ」
「……ふざけるな。この俺をこけにしやがって……殺してやるよ。お前は」
「もう2度と会うことは無いだろう」
成田は傷つき倒れ込む成田を置いて、羽田はその場を後にする。
この事があってから成田は強さを求める事を第一にして行動してきた。
そして、成田は今、力を手にいれようとしていた。
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「何してんだ?」
浮いている四人と成田を見て、京は成田に告げる。
「誰だ?」
成田のその言葉に京は何も答えない。
その変わり、全身から黒いオーラを漂わす。
「渡辺……京」
成田はその姿を見て目の前に居る人物を正しく理解する。
「そいつに近づくな」
「……俺に指図するな。ナギサ……さっさとしろ」
成田は京が動き出す前に覚醒の導きを促す。
しかし、ナギサは京の登場に神の頭脳の能力を発動を止めていた。
「ふざけるな。早くしろ」
成田はナギサだけに重力を加える。
ナギサは地面に叩きつけられ、張り付けにされた。
「おい、何やってんだ?」
京は拳を握り、直ぐ様振るう。
そんな京の拳は空を切る。しかし、それと同時に圧縮された黒いオーラを放っていた。
その黒いオーラは成田に直撃する。
浮いていた二人は地面に落ちる。ナギアは見事に着地をした。
これは成田が能力を維持出来なくなった事を意味していた。