第235話 食事
愛花と長谷川の二人はファミリーレストラン[ダスト]に来ていた。
店内に入り、注文した品が運ばれて来るのが待っている状況だ。
店内に居るものの、外からはサイレンの音が止まる事なく、鳴り響いている。
愛花の魔法固定砲台によって地面、建物の損害が出て、警察消防が出動している状況だ。
外を眺め、どこか心配そうな表情の愛花を見て長谷川は告げる。
「男の事だったら、大丈夫だと思うよ。警察に任せて置けば」
「そんな事気にしてない。……お金が無いからどうしようかと思っていたの」
「それも大丈夫。僕が払うよ」
「……ありがとう」
愛花は窓を見ながら長谷川に告げた。
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サイレンが鳴り響く中、無数の遺体が警察、消防によって移動させられていた。そこに救急車が合流する。
そんな光景をビルの上から成田は眺めていた。
成田は不機嫌そうにため息を溢すと振り替える。
そこには愛花の魔法固定砲台の一撃を受けた男が倒れていた。
「中学生の女の実力だからと言って油断したか?」
「嫌……男が乱入してきたからな」
「それにしても遺体で壁を作って無かったら死んでいたぞ」
「……どうかな?あの女が本気を出したとは思えないが」
男のその言葉に成田は下を向き、えぐられた地面を見つめる。
「……魔法固定砲台の威力は凄まじいと聞いていたが……お前相手に手を抜く理由があるのか?」
「……人を殺すことに抵抗でもあったんだろう。あの女を追うのか?」
「今はあの女からしか情報を聞き出す事が出来ない。それで乱入してきた男はどんな奴だ?」
「……能力は身体の能力向上系だろ」
「……身体能力の向上か」
成田は京の地獄戻り、大地の地面方位とは違う事から愛花と共に行動する男が一体誰なのかと言う疑問について考えようとした時だった。
成田がポケットに入れていたスマホのバイブに気がつく。
成田はスマホの画面を見つめる。
「何だ?」
「萱沼美咲、ナギサ、ナギア、の居所が分かりました」
「何だと。本当か?」
「はい。現在地を送ります」
「分かった」
成田は喜びの笑みを浮かべるとスマホの通話を止め、送られて来たGPSを確認する。
「目的が変わった。これから向かう」
「……俺は足手まといだろ。置いてけ」
「そうさせて貰う」
成田は重力操作を発動させ、宙に浮かぶ。
成田は優雅に空を飛んでいく。
成田はGPSに示されていたポイントに到着する。
しかし、そこには誰も居ない。
(移動したか?どちらにしても遠くには行けまい)