第224話 隠れ家(アジト)
地下施設を大地の能力地面方位によって造り変えたその場所で数人の人間はこれからについて話し合っていた。
「これからどうする?」
大地が告げたその一言に誰も答えようとしなかった。
ここに居るチーム[リベンジャー]はプロジェクト・ナギアの研究所から狙われ続けるこの状況でどの様に行動するべきか悩んでいた。
この中でも神の頭脳の神能力者であるナギサの考えを待っている状況とも言えるだろう。
しかし、ナギサは何も答えない。
「取り敢えず、俺達を狙うのはあの研究所の連中だけだ。……あの研究所を消す」
京のその言葉に返事をする者は居ない。
チームとして機能してないと言える。
「分かった。しかし、美咲にはやらせられない」
沈黙が続く中大地は妹の安全を確保する為、話を始めた。
京は考え込み、直ぐに決断する。
「良いだろう。お前にはやって貰うが」
「……分かった」
二人が会話を進める中、美咲は覚悟を決める。
「私も戦う」
「何を言っている?」
妹の美咲の一言に大地は驚きを隠せなかった。
「私を守る為にお兄ちゃんは研究所に敵に回したんでしょ?」
「……そうだが」
「だったら私も戦うよ」
「駄目だ」
「私は戦える」
大地と美咲はお互いに譲らない。
「私は良いと思うよ」
ナギサはそう答えた。
「ありがとう。ナギサちゃん。お兄ちゃん私は戦うよ」
「……分かった。お前は俺が守る」
大地は美咲が戦う事を許す。しかし、大地は美咲が傷つかない様に動く事に決めた。
「それで研究所を潰す為にまずはどう動くのですか?」
話が進む中ナギアは質問をする。
ナギアのその質問に答えようとする者はナギサ以外には居なかった。
「まずは、仲間を増やしたい」
「仲間?」
ナギサが告げた仲間を増やす事に京は疑問を示す。
「この人数では難しいよ」
「……お前がそう言うならそう何だろうな」
京はナギサの言う事にそれ以上反論する事は無かった。
「それで仲間にするとして候補は居るのか?」
大地はナギサに尋ねる。
「京と大地は東京本部の一年の能力クラスに居るんでしょ。誰か居ないの?」
ナギサのその一言に京と大地は動く。
一年生が特別訓練をしている東京本部の高校に京と大地は戻って来ていた。
グランドでは特別訓練を行っている最中を見つめている京に対して大地はそわそわと落ち着きが全く無い様子だった。
「さっきから何だ?」
京は痺れを切らし、大地に告げる。
大地は驚いた様子で答える。
「美咲が心配だ」