第223話 成田智則
「チーム[ヴァルハラ]を日本に手引きする」
「管理する神は何を企んでいる?」
「……神の創造を始める様だ」
デュラークは城山に真実を告げる。
「神?」
「神は七日間であらゆるものを創造した。管理する神はその全ての神を集める為だ」
「そんな神を集めてどうする?」
「……さぁ?」
「……お前はどこまで知っている?」
「一部……だろな」
「……そうか。後は俺が調べる」
城山は直ぐ様外に向かう。
「止めないのですか?」
部屋に残っていた成田はデュラークに尋ねる。
「止めても止まらないさ。それよりも君には頑張って貰わないとね」
「……その期待に応えて見せます」
「何か考えがあるのか?」
「……プロジェクト・ナギアによって産まれたナギサを使って覚醒します」
「……ここに居るって事は何らかの問題があった様だな」
「それは……萱沼大地が」
「他人に任せるからそうなるのさ。自分で動いたらどうだ?」
「……分かりました。自分で決めます」
成田は部屋の外に向かう。
一人残されたデュラークはチーム[三羽烏]の最後のメンバー候補である檜山仁の写真と成田智則の写真を机から取り、見つめる。
檜山仁の写真を見つめるデュラークは弟のデュークの姿を思い浮かべていた。
「早く。ナギサを見つけなければ」
成田には余裕など無かった。
チーム[三羽烏]はスケルターだけを守る為に結成されたチームだ。
残りのメンバーは檜山仁か成田智則のどちらかと成田は聞かされて居たからだ。成田はいち早く覚醒出来る様にナギサを探す。
しかし、手がかりは何も無い。
成田は取り敢えず、プロジェクト・ナギアを進めていた研究所に向かう。
「ナギサはどこに行った?」
「調べていますが……手がかりはありません」
「ナギサを元に造られた人造人間を使って調べろ。人造人間はナギサ程では無いが高度な演算が出来た筈だ。居場所の特定位出来るだろう?」
成田のその発言に研究所の職員は答えにくそうにして言葉を詰まらせる。
「どうした?」
なかなか、答えない職員に成田は早く答えを出させる様に促す。
「この研究所に居た人造人間は萱沼大地によって奪われました」
「あいつが?裏切ればどうなるかあいつは分かっている筈だ」
「それが妹の萱沼美咲と中鏡愛花も一緒」
「……何故、止めなかった?」
「それはあれです」
研究所の職員は部屋の一部を指さす。
「……地面方位か?」