第22話 復活させし神(リザレクション・ゴッド)
能力者育成機関東京本部の病院に重症患者として運ばれた檜山仁は出血多量のショック状態、肉体の一部が焼け焦げ、瀕死の状態。
檜山仁は能力者育成機関東京本部にある医療機関をたらい回され12回目で救いの手が差し出される。
能力者育成機関東京本部は東京の半分以上の大きさを誇り、様々な機関が存在し、病院は50以上存在している。
檜山仁程の重症患者に対応しているのは12の機関だけ、檜山仁が運ばれた病院はどんな重症患者でもすぐさま治してしまうと噂される病院だ。
その病院には復活させし神の異能力者が居る。
「あら、起きた?」
檜山仁は聞き慣れない声を耳にする。
檜山仁は声の主を確認する。
そこには椅子に腰掛け、足を組んでいる金髪の女性を目にする。
「誰だ?」
檜山仁は思った言葉を投げ掛けた。
金髪の女性はクスッと笑うとその問いに答えた。
「私は、花園はるみ……それで、檜山仁君体は大丈夫?」
檜山仁はすぐには答えられなかった。
それは一度は死を覚悟したからだ。
右の脇腹の激痛も無く、今あるのは眠気位だ。
檜山仁は少しずつ理解していく。
隣の椅子に座るのがここ東京本部で噂される復活させし神だと言う事を……
「俺の……体は治ったのか?」
檜山仁は疑問だった。
これが現実なのかさえ疑っていた。
「治ったわ、私の復活させし神は心臓さえ動いていれば復活……リザレクション可能だもの」
嘘みたいな話についていけない。
だが、一つだけ確かなものがある。
それは檜山仁が最も理解していた。
この短時間に右の脇腹が完治しているのだから。
「……そうか」
檜山仁はそう一言だけ告げた。
花園はるみは手元にある紙を見つめると檜山仁に問いかける。
「神異能者を敵に回したようね」
「神異能者?」
檜山仁は聞き慣れない神異能者に食い付いた。
花園はるみは笑顔で答える。
「この世界に神の名が付く異能力者の事を神異能者って呼ぶの。その他にも神の名が付く能力者は神能力者と呼ぶんだけど……」
「……何だ?」
急に話を止めた花園はるみに対して檜山仁は問い詰める。
「何でもないわ。詰まりは神を含む能力は強力なものが多いの」
「……炎神の魔武器もその一つか」
「えぇ、神能力者は強力で神能力者を集めようとしている組織も世界には存在しているわ」
「集めてどうする?」
檜山仁は自身の疑問をぶつける。
「この世界を変える……とか?」
「何だ?……それ」
「居るのよ……この世界を嫌う……人間わ」